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守屋行政書士事務所HP

2005年12月11日

境界性人格障害で補助開始審判の事例

 『名古屋家庭裁判所における成年後見事件の調査事務の実情』(家庭裁判月報54巻10号 2002年10月)から引用。

 41歳女性の事例です。
(1)医学的診断と診断所見
 17歳時、仕事上のストレスで自殺を企図。18歳でパチンコを始め、没入するようになる。多額の借金を抱え、夫などの援助で返済したが、同様のことを繰り返し大量服薬。数回同じことが繰り返されているが、改まらず、気分の変動も激しい。過度の飲酒もみられる。
 以上の状況から、境界性人格障害と診断しています。

(2)判断能力の判定と判定の根拠
 一定額以上(おおよそ1万円単位)の金額が手元にあると、計画的に使用できず、パチンコなどに浪費してしまい、生活するに必要な諸物品が購入できない事態が続いている→補助開始相当と判断しています。

(3)本人調査の結果
 境界性人格障害を精神上の障害とし、パチンコと衝動買いで浪費する行為を止めることを目的とした本人申し立ての事例です。

 質問には的確に答えることができ、言葉の理解力、思考力、記憶力の点では、通常人と変わるところが感じられなかったと書かれています。
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2005年12月09日

裁判所所属医師の活用

 法定後見(保佐・補助)と任意後見監督人選任申立て手続では、医師の診断書が提出書類に含まれています。この診断書の記載内容に不明な箇所がある場合には、医師たる裁判所技官に医学的助言を得て再診断や鑑定の要否を決めているようです(家事審判規則第7条の6「家庭裁判所は、必要があると認めるときは、医師たる裁判所技官に事件の関係人の心身の状況について診断をさせることができる」)。
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2005年12月08日

悪質住宅リフォーム問題対策に成年後見制度

 内閣府ウェブサイトから。11月14日に開催された国民生活審議会消費者政策部会の議事録(PDF)から引用です。
 
 「住宅リフォーム問題、悪質住宅リフォーム問題への対応につきましては、悪質事業者の排除、また高齢者の周りの方々に対する見守りの強化、成年後見制度の活用等、総合的な観点からとりまとめたものを今、推進しているところ」

 総合的な観点から取りまとめたものの資料もあります(PDF)。
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2005年12月07日

浪費者が成年後見制度を活用できないわけではない

 旧準禁治産者と現行の保佐制度との相違に関して、浪費をする人が保護対象から外れたことはよく指摘されることです。しかし、これは半分当たっているような的を外しているような回答です。

 単に飲み歩いたとか、カードで買い過ぎたとか、後で失敗したなと反省することはよくあることかもしれません。しかし、金銭や資産の所有額の大小に関係なく、使わなくては気が済まないような段階になった場合、例えばパチンコ依存症とか買い物依存症と呼ばれるまでになった場合には、単なる性格の問題ではなく、精神障害(病気:例えば人格障害)である可能性があります。行動を制御することは事理弁識能力に含まれますので、自分の行動を抑制できないことは後見(保佐・補助)申立ての理由につながります。

 精神障害までなった場合には、法律上保護する必要がありますので、成年後見制度を活用する機会になります。
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2005年12月04日

介護サービス事業者の指定取消処分

 東京都ウェブサイトから。12月1日付で特定非営利活動法人ひだまりの家(東京都足立区)に対して、指定取消処分をしたという告知です。

 取消理由としては、従事予定のない介護支援専門員の資格証明書をもって指定申請を行い指定を受けたことや実際のサービスよりも過大な請求や架空の請求を行い、また介護保険対象外のサービスについて請求するなど、不正に介護報酬を請求し受領したことを挙げています。
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2005年12月02日

心神喪失の常況と心神耗弱の言い換え

 成年後見制度の立案を担当した小林昭彦・大鷹一郎・大門匡編『一問一答 新しい成年後見制度』(商事法務研究会 2000年)32ページからの引用です。

 旧法の準禁治産者の状態を指す「心神耗弱」は、その表現がわかりにくく否定的な印象を伴うという指摘があったため、これをわかりやすく客観的な表現に改めたのが、「精神上の障害により事理を弁識する能力を著しく欠く」という表現である。

 同じく禁治産者の「心神喪失の常況」もその表現がわかりにくく否定的な印象を伴うという指摘があったため、これをわかりやすく客観的な表現に改めたのが、「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況」という表現である。

 言葉を変えただけで、言葉の意味内容は新旧法で変更なしです。
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2005年12月01日

適合性の原則とは

 各種商品・サービスを提供する場合に、事業者側には、顧客の知識、経験、所有財産の程度を超えて、消費者を勧誘してはならないという商取引に対する姿勢のことを適合性の原則といいます。

 各種の消費者法で導入されています。
(1)消費者基本法第5条第1項「事業者は・・・消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念にかんがみ、その供給する商品及び役務について、次に掲げる責務を有する」
 第3号「消費者との取引に際して、消費者の知識、経験及び財産の状況等に配慮すること」

(2)金融商品の販売等に関する法律第8条「金融商品販売業者等は、業として行う金融商品の販売等に係る勧誘をしようとするときは、あらかじめ、当該勧誘に関する方針を定めなければならない」
 第2項第1号「勧誘の対象となる者の知識、経験及び財産の状況に照らし配慮すべき事項」

(3)商品取引所法第215条「商品取引員は、顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行って委託者の保護に欠け、又は欠けることとなるおそれがないように、商品取引受託業務を営まなければならない」

(4)特定商取引に関する法律施行規則第7条第3号(訪問販売における禁止行為)「顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行うこと」

 
 高齢者や障害を抱える人たちの消費者被害を事後救済する視点として、意思無能力という論理もありますが、それ以外にもこの適合性の原則違反が活用できることになります。

 例えば、毎月数万円程度の年金収入しかない人が返済が困難になるくらいの金額の商品・サービスを購入することは、それを契約したらどのような状態になるかを理解していないことで、意思無能力の証明にもなります。また、事業者側がそのような人を営業して契約の勧誘することは、適合性の原則違反になります。よって、各種商取引規制法に加えて、民法の一般条項からもその商取引の違法性が証明され、契約無効になる可能性が大きくなります。

 この適合性の原則と消費者契約法や特定商取引法における事業者から消費者への説明義務規定が被害救済に活用できます。
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2005年11月29日

「精神上の障害」は「精神障害」とは異なる?

 意思能力の有無に関して、裁判で争うということは、法律上の判断と医学上の診断は異なることを意味します。民法第7条では、後見開始申立ての条件として、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者と定めていますが、これは、医学上の精神障害とは異なります。

 後見、保佐、補助とは、特定の人の行為能力を制限する法律制度ですので、専門家による調査(医師による診断→精神障害に該当するか否か)を材料にして、家事審判官(裁判官)が法的評価(審判)を下すことになります。

 例えば、精神疾患に関して、WHO(世界保健機構)の作成した、ICD-10という分類をしていますが、非常に包括的な区分になっています。
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2005年11月28日

事業者ローンの連帯保証契約が保証人に意思能力がないことを理由に無効と認められた事例

 福岡高裁平成16年7月21日判決です(判例タイムズ1166号 2005年2月)。大手消費者金融会社と連帯保証契約をした知的障害を抱える人を救済した事例です。 
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2005年11月27日

意思能力の欠缺をめぐる裁判例と問題点

 澤井知子さん(札幌法務局訟務部付検事)の判例解説です(判例タイムズ1146号 2004年6月)。

 高齢者や障害者が当事者となる契約に関して、それを無効にする論理の組み立てとして、意思能力がないこと(意思無能力)を主張・立証することが行われています。契約書に署名・押印はしてあるけれども、それをした時には、契約内容を理解する能力が本人にはなかったので、契約は成立せず無効だという論理です。

 論旨を読む限りでは、意思無能力の立証方法としては、契約前後での医学上の診断と生活状態の説明がなされています。

@医学上の診断→認知症、アルツハイマー症、統合失調症、脳機能障害など。
A生活状態→耳が遠く、大声で話さないと人の話を聞き取ることができない。挨拶程度の会話はできるが、込み入った話はできない。労働能力はないなど。

 ただし、@とAの主張を採用するかしないかは、裁判所にかかっているので、当然、採用されないこともあります。認知症だったけれども、契約内容を理解できないまではなく、契約締結に必要な本人の意思能力はあったという考え方です。医学上の診断が必ずしも法律上の判定に結びつくとは限らない事例といえます。

 また、裁判では、@とAの検証だけではなく、高齢者や障害者が締結した契約の合理性も検討しています。高齢者や障害者に不利益な契約内容であれば、その効果を否定する傾向にあります。成年被後見人が日常生活に関する行為だけしか単独でできない意味は、日常生活における商取引だったらサービス内容と対価がそれほど高価なものではないために、不利益なことはさほどないだろうと考えられているからともいえます。

 契約成立後、契約の履行を求められて後見等開始の審判がされたとしても、契約成立後の家庭裁判所の決定ですので、不当な契約そのものを直ちに無効にすることはできません。裁判をするのにも費用と時間がかかり、契約を無効・取消することが100%確実とはいえません。したがって、事前に成年後見制度を活用しておいたほうが、便利になるという事例といえます。
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2005年11月24日

市町村長による後見等開始申立て手続見直し通知

 市町村長による後見等開始申立てに関して、民法第7条で申立て権者になっている4親等以内の親族の有無を確認する手続を2親等以内の親族に緩和するという報道がなされていましたが、7月29日付で厚生労働省から都道府県等自治体に通知が出されていました(家庭裁判月報57巻11号)。

 「民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律による老人福祉法、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律及び知的障害者福祉法の一部改正について」の一部改正について

 老人福祉法第32条、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第51条の11の2及び知的障害者福祉法第27条の3に基づく市町村長による後見等の開始の審判請求(以下「市町村申立て」という。)に関しては、これまで、「民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律による老人福祉法、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律及び知的障害者福祉法の一部改正について」において、市町村長は高齢者等の4親等以内の親族の有無を確認した上で市町村申立てを行う、との手続を例示として示してきたところである

 しかしながら、4親等以内の親族の有無確認作業が極めて繁雑であることも要因となって、市町村申立てが十分に活用されていない状況にあった。このため、市町村申立ての手続の例示を下記のとおり見直すこととし、併せて別添1及び別添2を別紙のとおり改めたので、御了知の上、管内市町村に周知を図られたい。

 また、本通知は地方自治法第245条の4第1項の規定に基づく技術的助言として発出するものである。



1 市町村長申立てに当たっては、市町村長は、あらかじめ2親等以内の親族の有無を確認すること。

2 1の結果、2親等以内の親族がいない場合であっても、3親等または4親等の親族であって審判請求をする者の存在が明らかであるときは、市町村長申立ては行わないことが適当であること。


**2親等以内とは、自分を中心にすれば、祖父母、孫、兄弟姉妹が該当します。また、配偶者の祖父母、兄弟姉妹(姻族)も含まれます。
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2005年11月23日

本人(実際は弁護士が務める代理人による)後見開始申立てに対して、本人に意思能力があることを疑問として、申立てを撤回させた事例

 遺言能力を問われた裁判事例の中から、引用です。東京地裁平成16年7月7日判決(判例タイムズ1185号 299ページ)です。
 
 「○○弁護士は、平成12(2000)年8月17日、東京家庭裁判所に対し、申立人を本人、代理人を同弁護士として、成年後見人選任の申立てをした。しかし、同裁判所から、成年後見人を必要としている当人が申立人となるのは意思能力の点から問題があるのではないかとの指摘を受けたため、同月20日、これを取り下げた」

 後見開始申立てを家庭裁判所にできるのは、配偶者や4親等以内の親族の他にも当の本人が含まれています(民法第7条)。家庭裁判所が申立てをなぜ取り下げさせたかに関してこれ以上の詳細は不明です。
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2005年11月22日

任意後見監督人の欠格事由

@未成年者
A家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人、補助人、任意後見監督人、任意後見人
B破産者
C本人に対して訴訟をしている(した)者。その配偶者・直系血族(子、親など)
D行方不明の者
(以上、民法第847条の準用、任意後見契約法第7条第4項)

 また、任意後見受任者・任意後見人の配偶者、直系血族、兄弟姉妹は任意後見監督人になることができません(任意後見契約法第5条)。
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2005年11月20日

介護サービス苦情相談事例

 東京都国民健康保険団体連合会編『東京都における介護サービスの苦情相談白書』(2005年)の紹介です。市区町村などに寄せられた2000年にスタートした介護保険制度に基づく介護事業サービスに関して、市区町村などに寄せられた苦情とその対応策を集めた書籍です。

 介護サービスといえば、関与する法律もいろいろあり、苦情を寄せられる利用者も制度の中身がよくわからない、サービスを提供する側も説明不足、契約書なし、介護計画のずさんなどの問題を抱えていることが読み取れます。

 利用者=消費者ができる対策としては、記録をきっちりつけること、事業者を管轄している市区町村に情報公開請求してその事業者に対してどのようなトラブルがあるかを事前にリサーチすることなどはすぐに着手できることでしょう。その上で、契約書の文言をきっちりチェックし、介護中の事故発生での事業者の責任追及の論理などを勉強しておくことが必要かと思われます。

 介護事業者は、サービス勧誘時点での十分な説明、個々のサービス提供内容の記録、利用者の心身の状況を把握し、介護計画の変更を常に検討していくこと、事故は必ず発生することを念頭に、迅速に事故対応ができるようにしておくことなどが求められています。
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2005年11月15日

わかりやすい任意後見契約書を作っています

 任意後見契約書、任意代理契約書では、一般的には、甲・乙とか、難しい法律用語が使われています。しかし、お客様指向としては、同じ内容でもよりわかりやすい表現をした方がサービス内容の誤解が生じる可能性が少なく、相互理解には役立つものと思われます。したがって、守屋行政書士事務所では、より読みやすく、わかりやすい契約書を作ることを心掛けています。
 
 専門用語を使った方が抽象的に説明できるので便利なことは便利なんですけど、使う側は読みにくく、活用に抵抗があり、よろしくないことが多いかもしれません。例えば、である調から、ですます調にするとか、漢字→ひらがなにするだけで、だいぶ印象は変わります。
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2005年11月13日

任意後見監督人選任申立て以後の裁判所の調査事項

 任意後見契約を開始するために、任意後見監督人選任申立てをした後に、家庭裁判所でやることです。
@職権での事実調査・証拠調べ(特別家事審判規則第1条、家事審判規則第7条)
A社会福祉機関との連絡(家事審判規則第7条の5)
B関係者を医師が診断すること(家事審判規則第7条の6)
C本人の精神の状況に関する医師の診断の結果その他適当な者の意見の聴取(特別家事審判規則第3条の2)
D本人の陳述、任意後見監督人となるべき者の意見聴取(特別家事審判規則第3条の3第1項)
E任意後見受任者意見聴取(特別家事審判規則第3条の3第2項)
F任意後見監督人選任時の考慮事項(任意後見契約法第7条第4項、民法第843条第4項)

 任意後見監督人選任時の考慮事項で規定されているのは、次の項目です。
@本人の心身の状態
A本人の生活・財産の状況
B任意後見監督人になる者の職業、経歴
C本人と任意後見監督人との利害関係の有無
D本人の意見
Eその他一切の事情
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2005年11月12日

任意後見監督人に適用される民法の規定

 任意後見契約に関する法律第7条第4項の規定です。

@事務処理の善管注意義務(民法第644条)。
A委任終了時の緊急処分義務(民法第654条)。委任契約が終了しても必要なことがあればやり続けなければなりません。
B事務終了する場合の相手側への通知義務(民法第655条)。
C任意後見監督人選任する場合の考慮事項(民法第843条第4項)
D任意後見監督人の辞任理由(民法第844条)。
E任意後見監督人の解任理由(民法第846条)。
F任意後見監督人の欠格理由(民法第847条)。
G複数の任意後見監督人措置(民法第859条の2)。
H任意後見監督人の事務費用を被後見人の財産から支出すること(民法第861条第2項)。
I任意後見監督人の報酬支払(民法第862条)。
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2005年11月11日

任意後見監督人の職務

 任意後見契約に関する法律第7条の規定です。
 
@任意後見人の事務監督
A任意後見人の事務の家庭裁判所への定期的報告
B急迫な事情がある場合の任意後見人の代理権の範囲内での処分行為
C利益相反行為がある場合に、本人を代表すること
D任意後見人の事務と本人の財産の調査
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2005年11月10日

高齢者虐待防止法公布

 官報ウェブサイトに9日付で掲載されています。「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成17年11月9日法律第124号)」。2006年4月1日から施行されます。

(1)高齢者→65歳以上の者
(2)養護者→高齢者を現に養護する者であり、養介護施設従事者等以外のもの
(3)高齢者虐待→養護者による虐待と養介護施設従事者等による虐待
(4)高齢者の財産を不当に処分すること高齢者から不当に財産上の利益を得ることは虐待に含まれています。高齢者の行為も含まれます(以上、第2条定義)。

(5)市町村への通報義務(第7条)→養護者による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は、市当村に虐待発生を通報しなければならない。

(6)地域包括支援センター職員の立ち入り調査(第11条)。

(7)市町村から警察への援助要請義務(第12条)。

(8)高齢者虐待防止担当市町村窓口の周知義務(第18条)。

(9)養介護施設設置者・養介護事業者による高齢者虐待防止措置(第20条)。

(10)養介護施設従事者による市町村への通報義務(第21条)。

(11)市町村における高齢者の財産上の不当取引および消費者被害防止措置(第27条第1項)。

(12)(11)の場合の老人福祉法第32条による後見(保佐・補助)開始申立て(第27条第2項)。

(13)国・地方公共団体に対する成年後見制度の利用促進義務(第28条)。

(14)高齢者以外の者で、精神上または身体上の理由で養護を必要とするものに対する虐待防止措置の検討→これからやりましょうということ(附則第2条)
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2005年11月09日

意思能力欠如を証明する手段としての情報公開請求

 消費者被害救済の手段として、契約当時、成年後見制度を利用していない場合には、被害者が契約を締結する意思がなかったことを証明する必要があります。これはかなり難しいといわれているのが、証明手段として市区村長への情報公開請求が活用できるという話です。

 認知症であるにもかかわらず、株取引を重ね損失を被った原告が証券会社に対して不法行為に基づく損害賠償請求を行った事例です。結論として、原告には株取引をする意思能力がなく、証券会社社員が勝手に売買をして損失を発生させたと認定しています。

 取引をする時点で意思能力がなかったことの証拠を収集する手段として、原告の法定代理人である成年後見人(損害発生の後に後見開始)が原告の自己情報開示請求を自治体にしました。

 請求したのは次の文書です。
@認知症の相談予約表
A認知症の相談記録表
B要援護高齢者訪問記録表
Cヘルパーの週間訪問予定表

 介護福祉士の証言を補完する証拠になり、原告勝訴につなげることができたそうです(以上、大阪弁護士会情報問題対策委員会編『実例でみる公文書の訴訟活用術』大阪弁護士協同組合 2005年 117ページから引用)。
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2005年11月08日

印鑑登録証明書の返還請求

 公正証書などを作る時には、公証役場から身分確認証明書として、あるいは代理人への授権意思の表示として印鑑登録証明書が要求されます。通常は、公証役場にそのまま渡しておしまいですが、コピーを公証役場に提出して、原本は返還請求することも可能という話です(日本公証人連合会機関紙『公証』2004年10月 249ページ)。

 ただし、公証役場に債務者が現れずに、債権者が金銭の貸し借りの公正証書などの作成を求めた場合には、債権者が債務者の印鑑登録証明書を悪用することも考えられるので、この場合には、印鑑登録証明書の返還をすることに関して、債務者の意思確認をしろとも記載されています。
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2005年11月02日

任意後見契約公正証書作成時提出の住民票の写しの記載範囲

 任意後見契約や事務委任契約を公正証書にする場合に、公証役場に提出する住民票の写しは世帯全員が表記されている必要はなく、委任者・受任者個人の表示だけでOKです。

 任意後見監督人選任申立て法定後見(保佐・補助)開始申立てで裁判所に提出する場合の住民票の写しは、本人・申立人や後見人候補者等が属する世帯全員の表記がなされていることが必要になることが裁判所での取り扱いになっています。
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2005年11月01日

公証役場費用

 任意後見契約や任意後見契約発効前の事務委任契約を作成する場合の公証役場費用一覧です。

(1)事務委任契約の手数料
@契約で月額委任事務手数料を定めている場合
 月額の委任事務報酬額の10年分の金額を2倍にした額を公証人手数料令で定めた手数料一覧表で参照する。例えば、月額報酬が10万円の場合、年額で120万円。10年で1200万円ですので、基準額は2400万円になります。これを手数料表で見ると、法律行為の目的の価額が3000万円までに該当しますので、公証役場の手数料は2万3000円になります。

A契約で月額事務手数料を定めていない場合
 公証役場の手数料は、1契約1万1000円になります。

(2)任意後見契約作成の手数料
 契約の中で、月額の報酬額が明記されていても、契約の性質上、目的価額の算定不能と考えられており、1万1000円が公証役場の手数料になります。

(3)出張代金
 契約当事者が入院等しており、公証役場に出向くことができない場合には、出張料金として(1)、(2)で算出された金額の1.5倍が基本手数料額になります。

(4)任意後見契約の登記印紙代金
 4000円

(5)任意後見契約の登記嘱託手数料
 1400円

(6)公正証書のコピー代金 
 数百〜2000円前後

(7)公証人の日当
 4時間までが1万円。それ以上は2万円。

(8)交通費実費

(9)公正証書作成のために必要な住民票・戸籍謄本その他の証明書入手費用(各市区町村で事前に調達)
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2005年10月31日

家事審判規則

 最高裁判所HPに裁判所規則集が掲載されています。

 家事審判規則

 特別家事審判規則
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2005年10月29日

身分証明書とは2

 各市区村長から発行される身分証明書の説明です。身分証明書の提供により公証される情報は次の内容です。

@破産者
 破産手続開始決定があった場合の地方裁判所からの通知。転籍した場合の前の本籍地市区町村長からの通知に基づき破産者名簿を作ります。

A禁治産者・準禁治産者 
 2000年4月1日以前に禁治産者・準禁治産者になった人の名簿を作成しています。

B成年後見登記
 後見が開始された場合と旧禁治産・準禁治産宣告の表示を戸籍の記載から登記による公示に移行することを申請した場合に、後見登記を管轄する東京法務局から市区町村に通知されます。成年被後見人が選挙権・被選挙権を持たないことと印鑑登録できないことから、市区町村における選挙人名簿の作成と印鑑登録事務の便宜上、該当者の市区町村に通知しています。

 証明書の記載では、@〜Bの通知を受けている(通知を受けていないこと)を証明する記載になっています(以上、東京都特別区戸籍実務研究会・日本加除出版株式会社編『行政証明の実務の参考様式集』日本加除出版 2003年 191〜197ページ)。
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2005年10月27日

任意後見監督人選任申立て

 任意後見契約が登記されている場合において、精神上の障害により本人の事理弁識能力が不十分な状況になった場合には、任意後見契約をスタートさせるために家庭裁判所に任意後見監督人選任申立てをします。

東京家庭裁判所での任意後見監督人選任申立てに必要な書類一覧(判例タイムズ1165『東京家裁後見センターにおける成年後見制度運用の状況と課題』45ページ)

(1)申立て書類
@申立書
A申立て事情説明書
B本人の財産目録及びその資料(不動産登記簿謄本、銀行口座通帳の写しなど)
C本人の収支状況報告書及びその資料(領収証の写しなど)
D任意後見受任者事情説明書
E任意後見監督人候補者事情説明書

(2)本人についての書類
@戸籍謄本
A世帯全部の住民票
B保佐・補助等が開始されている場合には、後見登記事項証明書
C後見登記されていないことの証明書
D任意後見契約公正証書の写し
E医師の診断書

(3)任意後見監督人候補者についての書類
@戸籍謄本
A世帯全部の住民票
B破産していないという身分証明書(市区町村発行)
C後見登記されていないことの証明書

(4)申立人についての書類
@戸籍謄本

(5)任意後見受任者についての書類
@破産していないという身分証明書(市区町村発行)

(6)費用
@収入印紙800円 
A登記印紙2,000円
B郵便切手2,980円(500円×4枚、80円×10枚、20円×4枚、10円×10枚)
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2005年10月26日

第38回日本発達障害学会出席報告

 『家庭裁判月報』56巻7号 2004年 255ページに大阪家庭裁判所家庭裁判所調査官である松本友子氏の報告が掲載されています。2003年7月5・6日に秋田大学で開催された学会報告です。ただし、1000文字程度の短い報告になっています。

研究発表
@アスペルガー症者の不適応症状と支援に関する研究
A思春期高機能広汎性発達障害の心理教育的ニーズの検討
Bコミュニケーション障害幼児の親子関係について
C保育所における気になる・困っている行動を示す子供の実態調査

シンポジウム
@私の生活と本人活動
A発達障害支援の新しい風はどこへ向かうのか


 報告書を読む限りでは、研究発表に関しては、観察記録の延長という感じです。役に立ち、有効と思われる支援方法は見えてきません。
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2005年10月15日

日当は報酬に含まれます

 成年後見人(保佐人・補助人)の報酬請求に関連して、後見(保佐・補助)活動をするための日当は報酬に含まれます。よって、独自に成年被後見人(被保佐人・被補助人)から徴収することは許されず、家庭裁判所に報酬付与申立てをして、家庭裁判所が金額を決定します。日当額いくらと請求しても、その通り認められるかは厳しいようです。

 事務遂行のための費用は、裁判所の決定を待たずに成年被後見人(被保佐人・被補助人)の財産からいただきますが、日当に関しては、拡大解釈すれば、報酬と同じになるので恣意的な財産管理を防止するためにも必要な措置になります。

 任意後見契約の場合には、日当等は事前に金額を定め、また、報酬額が定額制でない場合には、請求の計算方法を契約書に記載しておく必要があります。
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2005年10月14日

延命治療拒絶の意思表示

 リビングウィル(生前発効遺言)の中に含まれる延命治療の拒否(尊厳死の宣言)は、任意後見契約の委任事項には該当しないというのが現状の実務の取り扱いです。延命治療の拒否が社会的に周知されているとはいえないので、冒険をしたくないというのが本音だと思われます。

 公証役場での実務では次のようにして延命治療の拒否(尊厳死宣言)を文書化しています。
@事実実験公正証書の作成 宣言者が公証人の面前で延命治療の拒否を宣言し、公証人が聴取した内容を公正証書にします(事実実験公正証書)。

A宣誓供述書の作成
 宣言者が延命治療の拒否の文書を2通作成しておき、これを公証人の面前で署名し、宣誓します。公証人がその書面を認証して、宣誓供述書を作ります(宣誓認証)。認証した書面の1通を公証役場で保管し、1通は本人が所持します。

B尊厳死に関する代理権授与公正証書の作成
 委任者が尊厳死を宣言し、受任者が尊厳死を実現するために医療関係者と交渉する準委任契約を内容とする公正証書を作成します。

 なお、行政書士も私文書の事実証明を担当しています。
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2005年10月13日

未成年者の任意後見制度利用に関して

 未成年者でも意思能力があれば、法定代理人(親権者・未成年後見人)の同意を得て、任意後見契約を締結することができます。また法定代理人が任意後見契約を締結することもできます。
 
 しかし、未成年者の間は任意後見契約を発効するために必要な任意後見監督人選任申立てをすることはできません。民法上では未成年後見制度があるからです。
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2005年10月12日

悪質訪問販売商法対策レジュメ

 2005年10月9日の特定非営利活動法人神奈川成年後見サポートセンター小田原西支部での学習会のレジュメです。悪質住宅リフォーム会社等の訪問販売被害をどのように防ぐのか。被害にあった場合には、どのように回復するのかをまとめました。

 レジュメの概要(PDF)
 悪質商法の被害救済対策 成年後見制度も絡みます(PDF) 
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2005年10月09日

10月9日 成年後見制度無料相談会開催のお知らせ

 守屋が在籍する特定非営利活動法人 神奈川成年後見サポートセンター 小田原西支部では、成年後見制度の無料相談会を開催します。成年後見制度だけでなく、悪質商法被害対策や遺言・相続関係などのご相談も承ります。どしどしお越しください。お待ちしております。

開催日:2005年10月9日(日)14:00〜16:00
会場 : おだわら市民活動サポートセンター
    (JR東海道線/小田急線小田原駅東口から徒歩10分
     神奈川県小田原市本町1−5−12 小田原市民会館4階
     電話0465−22−8001)

連絡事務担当:守屋保彦
電 話:0465-37-9250
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2005年09月30日

手数料の法令

 登記に関しても、公証人に依頼することに関しても法令で、手数料額が決まっています。
登記は登記手数料令、公証役場の手続は、公証人手数料令です。国の法令データ提供システムの法令名の用語索引欄に法令名かキーワードを入れると、該当する法律や政令・省令がでてきます。

 金額や具体的手続に関して、いわゆる専門家という方々の説明がよく理解できない、あるいは本当に正確なことを発言しているのかと感じることは、消費者としてよくあることだと思います。説明する人とそれを聞く人という2者間の関係だけで決定するのではなく、情報源を複数活用して、第3者の視点で、妥当性を判断できるようになれば、失敗する可能性は少なくなるでしょうね。
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2005年09月29日

任意後見契約の登記

 任意後見契約の公正証書を作り終えたら、公証人は、成年後見登記事務を取り扱う登記所(東京法務局)に、任意後見契約の登記手続をします(公証人法第57条の3第1項)。必要書類を書いて、東京法務局に公証人が郵送します。

 登記事項です(後見登記等に関する法律第5条)。
@任意後見公正証書を作成した公証人の氏名、所属、公正証書の番号、作成年月日。

A本人(任意後見契約の委任者)の氏名、出生年月日、住所、本籍地。外国人の場合は国籍。 外国人の場合には、住所は外国人登録上の居住地になります。

B任意後見受任者の氏名、住所。法人が受任者の場合には、名称または商号、主たる事務所または本店所在地。

C任意後見受任者または任意後見人の代理権の範囲
 代理権の範囲は、別紙として代理権目録を作り記載します。

D数人の任意後見人が共同して代理権を行使すべきことを定めた時はその定め。
 別紙に代理権の共同行使の特約目録に記載します。

E登記手数料の金額。
 登記手数料令(昭和24年5月31日政令第140号)第6条の4第1項によれば、任意後見契約の締結に係る任意後見契約の登記の嘱託についての手数料は、1件につき4000円です。登記印紙で納付します。

F登記の嘱託年月日
G登記所の表示

 登記の嘱託書には、任意後見契約公正証書の謄本を添付します(公証人法第57条の3第2項)。また、登記を嘱託することに関する公証人の手数料は1400円です(公証人手数料令第39条の2)。
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2005年09月28日

財産引継ぎには第三者の立会いを

 日本司法書士会連合会が発行する機関紙『月報司法書士』を定期購読しています。勉強できるところが多いです。その9月号57ページに社団法人成年後見センターリーガルサポート兵庫支部の吉田博さんの投稿記事があります。成年後見業務の注意事項を書いています。

 「補助人の財産引継」というタイトルです。補助制度は特定の法律行為に限定した支援制度ですので、特定の財産管理を担当する場合には、補助人に就任後に、被補助人のその財産を管理するために引き継ぐことになります。

 「特に留意しなければならないことは、引継の際に当事者以外の者を同席させることである。私(:吉田さん)が補助人の選任を受けて、自称後見人から財産と帳簿類の引継を受けたところ、一部資料が震災で紛失されており整合性がない点があった。被補助人からクレームが来た時に、同席者の被補助人の友人の説明で事なきを得たことがある」と書いています。

 「自称後見人」からの受取ですので、(契約書を交わしているとも思えませんが)任意代理契約に基づき財産管理をしていた人から、法律上の補助制度が開始されたことに応じて、補助人に管理担当が変更された時の手続だと思われます。

 密室での行為ですので、紛争になったときの証拠保全が大切になります。詳細なメモは業務報告として残すとしても、証人を加えておけば、さらに信用度が増す事例になります。
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2005年09月27日

任意後見契約公正証書嘱託人への教示義務

 任意後見契約の公正証書を作る場合に、公証人から嘱託人(依頼人)に伝えなければならないとして、法務省通達(民法の一部を改正する法律等の施行に伴う公証事務の取扱いについて:2000年3月13日法務省民一第634号)で定めた項目です。

(1)任意後見契約法第4条第1項但し書きで定める事由があるときは、任意後見監督人を選任することができないこと
 任意後見監督人を選任できないとは、任意後見契約を発効できないことを意味します。但し書きで定める事由とは、次の項目です。

@本人が未成年者である場合
A本人が成年被後見人、被保佐人、被補助人である場合に、本人に後見・保佐・補助を継続することが本人の利益のために特に必要であると認めるとき
B任意後見受任者が次に掲げるものである場合
イ 民法第847条各号で定める者(未成年者、家庭裁判所で免ぜられた法定代理人・保佐人・補助人、破産者、被後見人に対して訴訟をし、またはした者。その配偶者および直系血族、行方不明者)
ロ 本人に対して訴訟をし、またはした者。その配偶者、直系血族
ハ 不正な行為、著しい不行跡その他任意後見人の任務に適しない事由がある者

 公証人は上記の事由があるかどうかを可能な限り嘱託人に確認することになっています。

(2)本人または受任者(任意後見人)の氏名・住所・本籍等に変更があった場合には、変更登記申請をすること

(3)任意後見契約の解除に関して、任意後見監督人選任前の契約解除には、公証人の認証を受けた書面が必要であること。任意後見契約選任後の契約解除には、家庭裁判所の許可が必要であること

 任意後見契約法第9条第1項では、任意後見監督人が選任される前では、本人又は任意後見受任者はいつでも任意後見契約を解除できるとしています。選任後は、正当な事由が求められます(同条第2項)。

(3)任意後見契約を解除した時は、任意後見人選任の前後を問わず、終了登記申請をすること

(4)任意後見契約の解除により任意後見終了の登記の申請をするときは、契約解除の意思表示を記載した書面の原本を相手方に送達した上で、その送達を証明する書面を登記申請の添付書類として、登記所(東京法務局)に提出する必要があること

 契約解除の意思表示を記載した書面とは、任意後見監督人選任前には、(3)から、公証人の認証を受けた書面になります。選任後には、家庭裁判所の許可を受けた書面になります。

 送達を証明する書面とは、例として、配達証明付き内容証明郵便の謄本を挙げています。

(5)合意解除により任意後見の終了の登記を申請するときは、合意解除の意思表示を記載した書面の原本または公証人の認証ある謄本を登記申請書の添付書類として登記所に提出する必要があること。

 書面は(4)と同じになります。
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2005年09月26日

任意後見契約公正証書作成

 法務省通達に基づき、有効な任意後見契約の作成方法が決められています。2000年3月13日付けの「民法の一部を改正する法律等の施行に伴う公証事務の取扱いについて」です。委任契約内容を契約当事者間で話し合った後の公証役場での手続の説明です。

(1)依頼人の確認事項
 本人(委任者:後見される人)及び任意後見受任者の氏名、出生の年月日、住所、本籍、外国人の場合には国籍

(2)必要書類
@戸籍謄抄本
A住民票の写し
B外国人登録証明書、パスポート
C任意後見受任者の住民票の写し(法人の場合には、謄本・登記事項証明書)
D本人及び受任者双方の印鑑登録証明書と実印(本人及び受任者自身が公証役場に出向く場合は、運転免許証と認印で代用可)
E所有不動産の登記簿謄本が必要になる場合もあります

 本人(委任者)が公証役場に出向かず(出掛けられず)、受任者だけが公証人と対する場合には、本人の印鑑登録証明書、実印が押された委任状が必要になります。契約書作成の意思確認を徹底するためには、公証人が本人の所に出掛けていくのが一般的だと思われます。

(3)様式
 法務省令に基づき、任意後見人が代理権を行う事務範囲を特定して代理権項目を作らなくてはなりません。代理権目録には、法律行為だけを書き、介護をするなどの事実行為の事務は記載しません

(4)契約作成過程の公証人の確認・説明事項
@本人(委任者)の事理弁識能力と授権意思の確認
 任意後見契約の公正証書を作成するに当たっては、本人の事理弁識能力と任意後見契約を締結する意思を確認するために、原則として本人と面接しなければなりません。公証実務では、本人と面接できない場合には、電話確認、信頼できる第三者からの事情聴取などで対応しています。また、医師の診断書の提出を求めたり、面接時の状況を記録し、紛争になった場合に備えているようです。

A代理権目録様式の説明
 1号様式と2号様式の説明し、使いやすい方を薦めているようです。1号様式では、詳細に羅列してありますが、かえって、複雑すぎでわかりにくいという声があるそうです。

B任意後見契約の手続の説明
 公正証書を作成したあとの手続の説明です。実際に契約が開始される時期、発効するための方法、契約解除の方法などの説明です。職業専門家が任意後見受任者になる場合でも、第三者からの説明はより客観的に理解するためにも大切なことです。
posted by 守屋行政書士事務所 at 05:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月25日

任意後見契約締結

 民法の委任契約に分類される任意後見契約に関して、具体的な契約内容の検討は、委任者(お客様)と受任者(任意後見受任者)との話し合いで決めますが、基本的なフォーマット(契約書の見本となる様式)が制定されています。

 2000年の成年後見及び任意後見制度施行に先駆け、弁護士会等各職業団体が検討したようですが、任意後見契約は法務省令で定める様式の公正証書によってしなければならない(任意後見契約に関する法律第3条)ことから、日本公証人連合会で大枠でサンプルを作り、それを個別に修正して任意後見契約書の完成とする事例が実務上の多数のようです。

 契約の内容により3パターンに分類されます(即効型、将来型、移行型)。それぞれ、任意後見監督人が選任されたときから契約の効力が始まりますので、その時期がくるまで、寝かされることになります。なお、移行型の場合には、任意代理契約に基づくサポートが始まります。
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2005年09月24日

渉外成年後見事件について

 山田真紀「渉外成年後見事件について」『家庭裁判月報』53巻9号 2001年

 関連法令(法例、民事訴訟法)と「成年者の国際的保護に関する条約」の概要の解説。全体で32ページ。
posted by 守屋行政書士事務所 at 18:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする