事務所のご案内  ご相談料金のご案内  お問い合わせはこちらから

守屋行政書士事務所HP

2006年02月12日

医療行為への同意権は積極的に活用すべきか

 成年後見制度では法律上、被後見人等が医療サービスを受ける場合の同意権限は制度化されておらず、被後見人等が意思表示をできない場合には、治療への対応に苦慮しているのが現実です。

 なぜ、医師側が患者側の同意を求めるのかといえば、インフォームドコンセントの視点から、緊急事態を除き、治療を受ける側に説明しないことあるいは承諾を受けないで治療を行った場合には、損害賠償責任が発生するというのが民事上の法的責任として周知されているからです。診察を受けることの診療契約とは別に、個別の治療行為に対しての説明と同意が必要になります。刑事責任を回避することもあります。

 成年後見人側から言えば、生命に関することだけに、下手に関与して、後から責任を追及されたらたまったもんじゃないという事業者としての予防策もあります。

 さて、この同意権に関して、医師側から、治療方針の提案があり、それを受けるか受けないかを判断することが前提になっていますが、そもそも、その治療方針の提案というのは、適切な内容なのでしょうか? 医療サービスに関しても質的な格差があります。医師の国家試験の合格率が高い割には、人員数は不足しているようで、長時間勤務→勉強できない→提供しているサービスの陳腐化→格差の発生という構図があるようです。

 となると、同意するしないの前に、医師から提案された内容が適切であるかどうかを検討することが後見人としての身上配慮義務として求められるといえます。具体的には、検査データを預かり、セカンドオピニオンの活用、医療コーディネータへの発注などにより、最適な治療方針を決めるための情報収集をすることが受任者としての善管注意義務を果たすことになるともいえます。
posted by 守屋行政書士事務所 at 07:01| Comment(1) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月11日

平成17年中の特定商取引法違反検挙事件数

 警察庁ウェブサイトから引用(PDF)。昨年1月〜12月の検挙事件数、被害人数、被害金額などが報告されています。

 特定商取引法違反容疑での被害金額は総額350億円あまり。このうち訪問販売による住宅リフォーム事件での被害は220億円あまりで、60%以上を占めています。

 なお、あくまでも警察で扱った記録ですので、実際には、もっと多いと推測できることは言うまでもありません。
posted by 守屋行政書士事務所 at 06:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月09日

財産詐取防止と成年後見制度

 成年後見制度は「悪質商法被害の事前予防になる」、「高齢者虐待防止対策になる」などと喧伝されることもありますが、ホントにそうなんでしょうか?

 24時間、後見人が被後見人を見守っているわけではありません。実務上は、成年被後見人(保佐人)の預金通帳その他の財産関係の書類をすべて、後見人が預かり、貸金庫などの保管してしまうために、被後見人も含めて、誰も自由に触れることができなくなってしまうために、金銭に関する被害発生を結果的に防止することになるということだと思われます。

 法律の解釈上は、誰も取り消しすることができない成年被後見人の日常生活に関する行為は、預貯金の管理や金銭の自由な使用も広範囲に設定されていますが、実際には、成年後見人が立てた事前の収支計画に基づき、少額のお金を手渡されることが大半です。よって、たとえだまされたとしても被害金額は莫大なものにはならないことになります。
posted by 守屋行政書士事務所 at 15:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月07日

預金解約と成年後見

 定期預金等を解約する場合に、金融機関の窓口では運転免許証などの身分証明書を提示することを求められます。通帳や印鑑などの盗難も発生しているので、お金を預かる側としては必要なセキュリティ対策です。名義の本人が窓口に行けない場合には、委任状の提示を求める会社もあります。

 代理人が預金の解約をする場合、夫婦間であっても委任状を持参することは面倒な気もしますが、安全対策をきっちりやっている会社と考えればよいかもしれません。ただし、解約手続を誰かに委任することはそこに何らかの意思表示があります。よって、契約意思表示能力を喪失している人は、成年後見制度を活用することが法的には正当な手続になります。

 4月1日から施行される高齢者虐待防止法では、「高齢者の親族が当該高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること」を「養護者による高齢者虐待」と定義しています。この視点からも、個人単位をベースに法手続をすることが求められています。
posted by 守屋行政書士事務所 at 08:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月03日

成年後見事業を展開している団体

 1日付の記事で第三者後見人を推薦する団体が神奈川県内に7つあると書いたところ、どこの団体なんだという質問がありましたので、報告します。といっても、実は全てを把握していません。情報を入手したらまた報告します。

 とりあえずわかっているのは、職業専門家の団体です。
(1)横浜弁護士会
(2)社団法人成年後見センター・リーガルサポート神奈川県支部
(3)社団法人神奈川県社会福祉士会(ぱあとなあ神奈川)
(4)NPO法人神奈川成年後見サポートセンター
posted by 守屋行政書士事務所 at 13:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月02日

日弁連『成年後見制度に関する改善提言』

 日本弁護士連合会のサイトから。2005年5月6日付の報告書(PDF)です。
posted by 守屋行政書士事務所 at 05:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月01日

第三者後見人推薦団体が7つあり

 1月30日に、横浜家庭裁判所の職員の話を聞く機会がありました。神奈川県内には、成年被後人(被保佐人・被補助人)の親族ではない、第三者後見人を推薦する団体が7つあるそうです。
posted by 守屋行政書士事務所 at 03:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月30日

消費者問題リレー報告会

 28日に東京都内で消費者法ニュース発行会議主催の消費者問題リレー報告会があり、参加してきました。消費者問題に取り組む弁護士・司法書士の方々の報告です。サラ金、クレジット、年金担保融資、欠陥住宅、リフォーム詐欺などが取り上げられていました。

 住宅リフォーム詐欺事件摘発のきっかけとなった埼玉県富士見市の認知症姉妹の相談を受けた消費生活相談員も事件の経緯を説明していました。
 
 サムニングループ被害対策弁護団が、住宅リフォーム工事詐欺契約では、支払いはほとんど現金であり、クレジット使用は1割くらいと報告していました。被害金額を実際に回収する場合、信販会社が介在していると工事会社の管理責任が甘いとして、信販会社から代金を回収する根拠になりますが、現金払いだと、工事会社の資産を把握しなければならず、より困難になります。警察の捜査に期待です。
posted by 守屋行政書士事務所 at 06:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月24日

任意後見監督人の報酬付与申立て

 任意後見人の報酬は、任意後見契約に基づき計算されます。監督人に対しては、法定後見制度と同様に家庭裁判所に報酬付与申立てをします。

 報酬は本人(任意後見契約の委任者:任意後見契約法2条2号)の財産の中から支払われます(民法862条)。本人の住所地の家庭裁判所に申立てします(特別家事審判規則3条)。

 家庭裁判所は申立ての根拠に拘束されませんし、決定された報酬額に対しても異議申立てができないように制度化されています。これが職業後見人として、成年後見制度を事業化するときに採算が取れないとして参入を断念する要因にもなっています。ぼったくりは論外ですが、適正な利潤は必要なところです。
posted by 守屋行政書士事務所 at 05:57| Comment(1) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月23日

成年後見制度改善に向けての提言

 2005年10月1日付の社団法人成年後見センター・リーガルサポートの報告書(PDF)です。法定後見での実務上の問題点と改善策を記述しています。
posted by 守屋行政書士事務所 at 01:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月22日

未成年後見開始事由の追加

 12月25日付の未成年後見の開始事由、選任方法に追加記載しました。

 親権者が保佐開始された場合には、親権行使能力を否定し、未成年後見開始事由に相当とするのが通説・判例です。
posted by 守屋行政書士事務所 at 13:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月21日

1時間に41件の予約

 参考になる記述も多い「なにわみちのありまま日記」から。高機能自閉症であるみっちゃんが発達障害支援センターに出かけた話です。相談予約が殺到して、なかなか利用できないようです。

 先日、神奈川県の発達障害支援センターがある中井やまゆり園を訪問してきましたが、行き着くだけで結構大変でした。山の中にありますので。

 何かを相談する→その回答はほんとに正解なのか?他に選択肢がないのかなど、調べたり考えたりすることはかなり大変なことだと思います。少しでも役立つ情報が提供できればと思います。
posted by 守屋行政書士事務所 at 07:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月20日

任意後見監督人に対する事務報告徴収申立て

 家庭裁判所は任意後見監督人に対して、@任意後見人の事務報告を求めA任意後見人の事務もしくは本人の財産調査を命じB任意後見監督人の職務について必要な処分を命じることができます(任意後見法7条3項)。家庭裁判所は間接的に任意後見人の職務をチェックすることになっています。

 任意後見監督人は定期的に任意後見人の職務遂行状況を家庭裁判所に報告することになっていて、報告時期は家庭裁判所が指示します(特別家事審判規則3条の7第1項)。

 任意後見監督人に対して、必要な処分を命じることを促す申立てが任意後見監督人に対する事務報告徴収申立てです。任意後見人に対して、仕事内容の情報公開を求めても対応が鈍い場合には、利用できる手段です。

 家庭裁判所の調査官は任意後見監督人の仕事を調査することができます(特別家事審判規則3条の8第1項)。
posted by 守屋行政書士事務所 at 06:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月19日

大学・短大・高専での障害学生支援の実態調査

 独立行政法人日本学生支援機構の調査報告です。全国の大学・短大・高等専門学校合計1115校にアンケート調査した報告書です。

 大学等における障害学生の在籍数は5,444人で、学校基本調査(文部科学省)における全学生数に対する在籍率は0.16%

 障害学生のうち、大学等に支援の申し出があり、それに対して大学等が何らかの支援を行っている(予定を含む)障害学生の数は2,029人で、障害学生総数に占める割合は37.3%。

 障害学生に対する修学支援環境の整備が急務としています。
posted by 守屋行政書士事務所 at 05:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月16日

成年後見制度無料相談会の報告

 昨日、成年後見制度に関する無料相談会を開催したところ、多くの方が来て下さり、ありがとうございました。2時間の枠内で相談担当3人では受付できず、帰られた方々もいらっしゃり、申し訳ございません。今後も悩んでいる方々に的確な情報提供ができるように努めていきます。毎月第3日曜日に開催していますので、またお越しください。

 なお、今週末21日(土)にもやりますので、昨日、疑問を解消できなかった方はこちらにお越しください。13時半から講演会をやり、15時くらいから相談会を開始する予定です。相談会だけでもOKです。問題解決のために迅速に行動していきます。

開催場所:秦野市保健福祉センター
講演テーマ「あなたの将来の生活や財産をどう守りますか 成年後見制度・遺言の活用法」
posted by 守屋行政書士事務所 at 06:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 事務所紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月15日

任意後見契約の解除2

 任意後見監督人が選任され、任意後見契約に基づく委任事務を開始した後に、契約解除するためには、家庭裁判所に任意後見契約の解除申立てをします。契約解除OKの審判が出たらそれを登記することになります。

 任意後見契約に基づき後見人に事務を委任していることは、各種の判断能力が不十分である位置づけですので、本人保護のために家庭裁判所が関与し、正当な事由を契約解除要件にしています。
posted by 守屋行政書士事務所 at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月14日

任意後見契約の解除

 任意後見契約法9条に基づく契約解除のやり方の説明です。

 任意後見監督人が選任される前に、任意後見契約を解除するためには、公証人の認証を受けた書面により契約解除します。契約を締結するときに意思表示確認を徹底するために、公正証書にすることに対応して、契約解除するときも公証人に関与させます。

 公証人の認証を受けた書面とは、公正証書まではいきませんが、契約解除の書面を作り、それを公証人に提示して契約解除の意思表示を確認してもらいます。公証役場には実印と印鑑登録証明書を持っていきます。
posted by 守屋行政書士事務所 at 13:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月13日

任意後見人解任が成立するまでの職務執行停止申立て

 任意後見人を解任する申立てをした時点で、任意後見人の職務執行停止を同時に申し立てることができます。暫定的に後見事務を行う人物を立てることもできます(職務代行者選任の申立て)。

 職務代行者はあくまでも代行ですので、任意後見人が解任されれば、その任意後見契約は終了します。代行者が任意後見人に自動的に就任することはありません。
posted by 守屋行政書士事務所 at 18:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月12日

発達障害者の支援体制構築が急務、島根県の事例

 Yahoo!ニュースを経由して毎日新聞11日付記事から引用。島根県では、これから「発達障害者支援センター」が設置される予定だそうで、本人や家族の苦労が取材してあります。

 原因を把握していないままに、誤った助言をしている「専門家」が迷惑を引き起こしているとも読めます。障害に対する正しい知識の伝達と、患者が自立するための援助機関の創設・支援が、早急に求められていると記事では結んでいます。
posted by 守屋行政書士事務所 at 08:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月11日

任意後見人の解任手続

 任意後見人の職務は任意後見監督人を通じて家庭裁判所が間接的にチェックしています。任意後見人の不正があった場合には、家庭裁判所は後見人を解任することができます。成年後見人の解任規定に準じています。

(1)解任理由
@不正行為
A著しい不行跡
Bその他その任務に適しない事由

 弱者保護・人権擁護のための任意後見人の職務の重大性と任意後見人の権限が濫用された場合に予測される被害を防止するために、後見事務に関しないことであっても、解任できるようにしてあります。

(2)解任請求権者
@任意後見監督人
A本人
B本人の親族
C検察官

(3)解任の登記
 解任審判確定後、裁判所書記官が登記を依頼します。

(4)任意後見人解任の効果
 任意後見契約が終了します。法定後見と異なり、家庭裁判所が新たに後見人を選任することはありません。
posted by 守屋行政書士事務所 at 08:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月08日

訴訟能力なしとして再審開始を認めた裁判

 2005年3月29日、名古屋簡易裁判所の決定です。もとの裁判当時、知的障害で訴訟能力を欠いていたとして(その後、保佐開始)、再審開始を認めています。
posted by 守屋行政書士事務所 at 06:16| Comment(1) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月06日

外国人の成年後見利用件数

 2004年4月〜2005年3月の司法統計から引用。家事渉外事件の受付件数報告です。家事渉外事件とは、家事審判、調停事件のうち、申立人、相手方、事件本人、参加人、被相続人、遺言者などの全部又は一部が外国人である事件を指します。

@後見開始申立てなど49件。
A保佐開始申立てなど1件。
B補助開始申立てなど3件。
C任意後見関連はありません。 
posted by 守屋行政書士事務所 at 17:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月05日

成年後見利用状況、司法統計

 最高裁判所の統計から引用(PDF)。2004年4月〜2005年3月までの集計結果です。

(1)申立て件数
@後見開始申立ては14,532件
A保佐開始申立ては1,687件
B補助開始申立ては784件
C任意後見監督人選任申立ては243件
D任意後見契約の登記は3,805件

(2)申立てを却下された件数は全体の0.4%。ほとんど認容されている。

(3)審理期間
(4)申立人の資格
 本人申立ては4.0%。市町村長申立ては3.0%。

(5)本人の年齢
 男性が20歳代が6.5%、30歳代が11.4%、40歳代が12.0%、50歳代が16.9%と各年代散らばっていることに対して、女性は7割近くを70歳以上で占めている。

(6)申立ての動機
@財産管理処分
A遺産分割協議
B訴訟手続等
C介護保険契約
D身上監護
 
 消費者契約の当事者になること、何らかの法律上の意思表示をする機会が生じたことが成年後見制度を利用する主なきっかけになっているようです。

(7)本人の生活状況
(8)鑑定期間と鑑定費用
(9)成年後見人と本人との関係
 家族・親族が後見人に就任する割合は約8割。職業専門家による第三者後見が約2割になっています。
posted by 守屋行政書士事務所 at 17:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月04日

2006年もよろしくお願いいたします。

 あけましておめでとうございます。今年度も成年後見制度に関して、情報収集とご提供に努めて参ります。読者の皆様が満足してくださるとうれしい限りです。よろしくお願いいたします。
posted by 守屋行政書士事務所 at 03:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 事務所紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月31日

悪質リフォーム業者を逮捕しても被害者救済につながらず

 Yahoo!ニュースを経由して毎日新聞24日付記事から引用。奪われた金額を取り戻すことは非常に困難であることを記しています。被害者救済のための法律が整備されていないためです。

@特定商取引法違反は刑事罰が軽い。
A業務停止処分を受けた業者は、別会社を設立して、同じ人物が同じリフォーム犯罪をしている。
B組織犯罪対策法(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律)の適用対象は法別表で羅列していますが、特定商取引法は適用対象外になっている。
C業者から犯罪収益を没収しても、没収金は国の一般会計に組み込まれるので、被害者救済に回らない。
D業者に損害賠償請求をしても業者にカネがなく、被害回復されない。

 なお、各省庁がまとめて取り組むきっかけになった、埼玉県富士見市の姉妹には、被害総額の半分が返還されたそうです。
posted by 守屋行政書士事務所 at 03:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月30日

申立人本人が裁判所に行けなかったらどうするか

 後見(保佐・補助)開始申立てをするときに、本人による申立てでも、本人が病気等の理由で家庭裁判所に出かけられないときはどうするか? 家族がいれば、家族の申立てでOKですが、1人暮らしで親戚とも交流なく、本人も親戚に頼むことに抵抗を示している場合にはどうするか?

 後見制度を利用している人は高齢者が多いので、遺産相続とも関連します。よって、これまで接触がなかった親族にも申立人になってもらってもよいのですが、本人が嫌がる場合には、自己決定の尊重ということで、本人申立てでいきましょう。

 申立人には、申し立てた理由を説明する義務があります。本人が家庭裁判所にいけない場合には、使者による申立てか、代理人による申立てになります。使者とは、必要書類を出すだけで、受理だけして、後ほど調査になります。申立て書類を提出した使者にも参考人として事情聴取が行われます。

 代理人とは、家事審判規則第5条で本人出頭主義の例外を定めています。代理人に弁護士以外の者が就任しようとする時には、家庭裁判所の許可が必要になると定めていますが、単に書類を提出して、手続開始を求めるだけの代理人ならば、特に許可は必要とされていないとも参考書等では説明されています。この意味では使者と代理人との区別があいまいになります。各裁判所での窓口運用で相違がありそうな項目ですので、使者(代理人)による申立て書類提出が受理されなかった場合の対処法を覚えておいた方が良さそうです。
posted by 守屋行政書士事務所 at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月29日

NHK『悪質リフォームとの闘い』の感想

 26日に放映した『にっぽんの現場 だまされちゃいかん 悪質リフォームとの闘い』の感想です。

 被害金額が数百万円であることと、提供されたサービス内容を照らし合わせてみると、契約金額に応じて本来やるべきことをしなくてもいいんだと犯罪被害者が思い込むようになってしまったと印象を受けます。

 購入する金額にあわせて、購入するまでに、被害者の生活の中で、何かしらしてきたと考えられます。例えば、物を手にとって見るだけ(百円単位)、サービスを提供する会社の事前調査をしてから購入するかどうかを決定する(数万円以上)など、ビジネス体験から必然的にやらされてきたノウハウはどこに消えたのでしょうか。

 年齢を重ねて、考える機能自体を喪失してきたのかもしれません(脳機能障害)。契約時点での現金預金の総額と契約金額を比較して、数百万円以上の額を購入するためには、どのような行動をしなくては安心できないのかを検討することができなくなってきているのかもしれません。数十年の生活で契約過程のチェックポイントのノウハウを蓄積してきた人も、それを発揮しようとは思わなくなってきたのかもしれません。

 以上は、成年後見制度の視点からの感想です。意識的に支援制度を進めたほうがよいかもしれません。犯罪リフォーム業者側は、カネを騙し取られる側を孤立させ、誰にも相談しないうちに、カネを騙し取る手口だからです。

 もうひとつは、「悪質」以外表現できないのかもしれませんが、犯罪意識が欠如していることです。殺人とか強盗と同じように、犯罪者集団による組織犯罪であり、犯罪による収益により、生活し、子育てをし、駅前の一等地のビルに入居している会社員を装う集団がいることを見逃しているのではないか。犯罪被害者が自分を責めていることはは共通しているのかもしれません。

 情報収集は徹底しましょう。契約を断ることに理由を告げる必要はありません。被害者救済に取り組む弁護士の方々のご苦労には敬意を表します。
posted by 守屋行政書士事務所 at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月28日

東京都で成年後見人育成講座参加者募集中

 東京都ウェブサイトから引用。1月20日(当日消印有効)まで申込受付中です。
posted by 守屋行政書士事務所 at 03:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月27日

特別代理人の行為規制

 てつ様からのお問い合わせの回答です。お待たせいたしました。

質問「遺産分割の際、親権者と未成年者の子供との間で利益相反となりますが、この場合の特別代理人も、遺産分割協議が整えば、その職務は自動的に終了するのでしょうか?それとも何か届けが必要なのでしょうか?」

回答 法令上、特別代理人の選任手続に関しては定めていますが、その職務遂行方法や代理行為完了後の手続に関しては、規定はありません。よって、遺産分割協議が終了すれば、それで特別代理人としての職務は終了し、届出や報告義務はありません。後見人に課せられている事務報告義務はありません。

 ただし、特別代理人としての仕事に対しての報酬を請求する場合には、成年後見監督人の規定が類推適用されます。家庭裁判所に対して、報酬付与申立てをする時には、具体的に何をしたのかを報告して報酬額の根拠資料とします。

 さて、遺産分割協議といっても、相続人間で完全に納得できる結果にまとめることはとても難しいことだと思います。この場合、未成年者にとってよくない協議結果になったときには、未成年者から委任された代理人に対して責任を追及することはできるのでしょうか。

 特別代理人の職務は、選任のときに特に規制されない限りは、代理すべき職務に関しては包括的な権限を持ちます。担当した職務に関して、後見人の有利・不利につながり、その行為が公序良俗に違反するとか、特別代理人に悪意があり、権限の濫用といえる特段の事情がある場合には、特別代理人の行為は無効とする判決もあります(中村均『利益相反の先例・判例と実務 全訂第2版』(金融財政事情研究会 2001年 38ページ)。

 家庭裁判所における特別代理人選任申立ての添付書類には、利益相反に関する書類として、遺産分割協議案などを提出します。審理過程で、未成年者に不利な内容になっていないかなどを検討し、選任審判のときには、例えば、「この協議書の通りやれよ」と指導しているようです。しかし、100%の強制力はありませんので、事後的に民事賠償請求をするとか、刑法の背任罪で告訴するかなどを考える必要が出てきます。
posted by 守屋行政書士事務所 at 18:28| Comment(1) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月26日

未成年後見の終了

 未成年後見終了原因の説明です。

@未成年被後見人の死亡
A20歳になった
B10代のうちに結婚して、成年者扱いになった(婚姻による成年擬制:民法753条)
C養子縁組・離縁により、養親または実父母の親権に服するようになった
D親権または管理権喪失宣告の取消(民法836条)
E親権または管理権の回復(民法837条)

 また、未成年後見人も成年後見人と同様に家庭裁判所の許可を得て辞任することができます(民法844条)。解任されることもあります。未成年後見人の死亡、欠格事由に該当したときには、別の人物が新たに未成年後見人に選任されます。

 未成年後見が終了した場合には、終了後10日以内に、未成年後見人が被後見人の本籍地の役所に未成年後見終了届をする義務が課されています(戸籍法84条)。また、終了後2ヶ月以内に、後見報告(後見の計算:民法870条)をすることになっています。事務報告をして、財産を元被後見人(被後見人が死亡して未成年後見が終了した場合には、その相続人)に引渡し、貸し借りがあったときにはその返還をして手続完了です。

 後見人としての職務に対して報酬を請求する場合には、家庭裁判所に後見事務報告をして、報酬請求額の根拠資料にします。
 
 管理の計算報告の相手は、成年になった元被後見人(被後見人が死亡して未成年後見が終了した場合には、その相続人)になります。家庭裁判所から未成年後見人が選任された経緯があるときには、家庭裁判所からも報告を求められるはずです。
posted by 守屋行政書士事務所 at 17:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月25日

未成年後見の開始事由、選任方法

 未成年後見が開始される原因は、未成年者に対して親権(身上監護+財産管理)を行う者がいないとき、または親権を行う者が財産管理権を有しないときです(民法838条1号)。

具体的には、次の6つです。
@親権者の死亡。失踪宣告。
A親権者が所在不明など親権を事実上行使できなくなった場合。
B親権または管理権喪失宣告の審判の確定。
C親権または管理権辞任届をした場合。
D親権者が後見開始された場合。
E未成年後見人を指定した遺言が発効した場合。遺言者の死亡。

 親権者が保佐開始された場合には、親権行使能力を否定し、未成年後見開始事由に相当とするのが通説・判例です。

 未成年後見人を選ぶためには、前の親権者が遺言で指定するか(民法839条)、家庭裁判所が選任します(民法840条、841条)。
 
未成年後見人を遺言で指定した場合には、その遺言書の謄本とともに、未成年後見開始届を被後見人の本籍地の市区町村役所にします。届出義務者は未成年後見人です(戸籍法81、83条)。

 家庭裁判所で未成年後見人が選任された場合には、家庭裁判所から未成年被後見人の本籍地と住所地の役所にその旨の通知をします(家事審判規則85条)。また、就任した未成年後見人も被後見人の本籍地の役所に審判書の謄本とともに未成年後見開始届をすることになっています。

 未成年後見は、『精神上の障害により事理弁識能力を欠く常況』の成年後見とは異なりますので、後見登記の対象外です(後見登記等に関する法律1条)。
posted by 守屋行政書士事務所 at 16:44| Comment(2) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月23日

離婚後、親権者が後見開始審判を受けた場合、子の法定代理人に片親が自動的には就任しない

 『戸籍時報』581号(2005年3月)から引用。戸籍実務の取り扱いの説明です。

 未成年者に対して離婚等の理由で単独で親権を行使している父母の一方が、後見開始の審判を受けた場合には、親権を行う者がないときに該当し、未成年後見が開始するものとすることが戸籍実務上の扱いです。

 この場合、他の一方の親権が復活することはなく、親も含まれる民法第7条に定める者から、家庭裁判所に未成年後見開始の審判を請求し、その審判を得て未成年後見人に選任された者から、後見開始届をすることになります。

 裁判事例では、未成年後見人が選任された後でも、親が親権者として親権者変更の審判がされた事例があります。親権も未成年後見も未成年者を監護、養育、財産管理の保護をするための制度ですので、親がいれば、そちらを重視しようという考えです。
posted by 守屋行政書士事務所 at 06:46| Comment(2) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月21日

過去の消費者被害の掘り起こしをしています

 成年後見制度の効果的な活用として、消費者被害の事前抑制・拡大防止があります。高齢者や心身に障害を抱える人たちへ不当な契約を締結させて収益を獲得しているいわゆる悪徳商法事業者に対して、迅速に行動し、被害の発生防止や被害の回復を図る作戦です。通常の商取引ではなく、犯罪対策と考えたほうがわかりやすいと思います。

 しかし、犯罪の被害に遭ったとは気づかなかったり、契約終了後から何年も経過していて、いまさら告発してもどうしようもないとあきらめている方々もいらっしゃるかもしれません。実際には法律の規定を総合的に検討すれば、いろいろと対処策は見えてきます

 個人事業を営む方を含めて、社会的には弱者の方々の権利擁護の一環として、過去の消費者被害の掘り起こしをしています。料金的には、電子メールでのやり取りなど、諸費用が発生しない場合には、何回やっても、どこまで回答しても完全に無料となります。お気軽にお問い合わせください
posted by 守屋行政書士事務所 at 09:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 事務所紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月20日

成年被後見人と認定された人物は、成年後見人を通じて債務を負担することが一切できないことが大原則

 てつ様からのお問い合わせの回答です。お待たせいたしました。

質問「『成年被後見人であると法的に認定された人物が、借金の意味を理解して、借主になると意思表示することは、精神鑑定の実務上、ありえない』こととあります。全くもってその通りと思いますが、それはすなわち成年被後見人と認定された人物は、成年後見人を通じて債務を負担することが一切できないということでしょうか?高齢者が相続対策のために、賃貸住宅等を建築し、その資金を金融機関から借りるケースはよくありますが、その借主が、成年後見制度を利用するということはあり得ることだと思います。そしてやはり、成年被後見人は父親、成年後見人はその息子というケースが想定され、後継者である成年後見人の息子の連帯保証を金融機関は求めるものと考えられます。
 こういうケースはあり得ると思いますが、いかがてしょうか?また、このような場合もやはり利益相反にならないと解してよいのでしょうか」

回答
(1)成年被後見人と認定された人物は、成年後見人を通じて債務を負担することが一切できません。

(2)成年被後見人になった後に、賃貸住宅等を建築し、債務を負担することは、利益相反行為に該当するので、家庭裁判所に特別代理人の選任申立てするとともに、成年被後見人の居住用不動産の処分許可の申立てをすることが必要になります。

理由
(1)成年被後見人と認定された人物は、独自では金銭の借入れなどの法律行為ができないと想定されています。遷延性意識障害(いわゆる植物状態)でない限りは、契約書にサインをすることや押印することの動作自体はできるでしょうが、その意味は理解していないと法的に区分されています(制限行為能力者)。

 成年被後見人が莫大な金額がかかる契約の当事者になることは成年後見制度の想定外のことであり、そのような契約書が存在しても、裁判では有効とはならないと考えられます。よって、後見人が代わりにサインをしたとしてもそれは無権代理行為になり、被後見人の能力が復活し、追認しない限り有効にはなりません。

 高齢者などが後見(保佐・補助)開始前に債務者になることは、法律上は通常のことです。その場合でも、後ほど、契約成立までの過程が問われ、契約成立に必要な意思能力が欠如していたために、契約を無効とした事例はよくあることです。

 「成年後見人を通じて債務を負担する」の意味がよくわからないこともありますが、基本的には以上のご説明になります。


(2)賃貸住宅の新築を含めて成年被後見人の財産処分に関しては、あくまでも被後見人の利益になるようにすることが求められます。また、財産の運用は安全第一で投資や投機をすることは求められていません。

 相続税対策というのは、成年被後見人が相続税を支払うのではなく、息子などの相続人が将来支払うことになるだろうと思われる金額を軽減するための作戦でしょうから、その財産処分はあくまでも後見人の利益になることが前提だと思われます。

 というわけで、利益相反行為になりますので、家庭裁判所への特別代理人選任申立てと成年被後見人の居住用不動産の処分許可申立て手続が必要になります。後見開始する前でしたら、父親が債務者で息子が連帯保証人もOKで、その状況をそのまま家庭裁判所へ報告するだけですが、後見開始した後に、成年被後見人の財産や権利義務の変動がある場合には、厳しくチェックすることが人権擁護制度として必要なことです。

 実際にはてつ様が寄せられたような相続税対策で賃貸住宅を建築することはよく行われているようですね。債務者は父親ではなく、成年後見人名義で借金をして、担保が成年被後見人名義の不動産になることはあるようです。この場合には、被後見人がその賃貸住宅に居住したり、地代が被後見人名義の口座に徴収されるなどの被後見人自身に利益がある計画を立てる必要があります。

 その上で、家庭裁判所に特別代理人選任申立てと成年被後見人の居住用不動産の処分許可申立てをして、認められる必要があります。また、推定相続人が複数いれば、相続人間のトラブルも事前に防止するために、計画に関する情報公開と同意書をもらっておいた方がよろしいかと思われます。


 以上が、ご質問への回答になります。ご不明な箇所はまたお問い合わせください。ありがとうございました。
posted by 守屋行政書士事務所 at 15:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月19日

成年被後見人である父が借主兼担保提供者で、成年後見人である息子がその連帯保証人となる場合は、利益相反行為にならない

 てつ様からのお問い合わせの回答です。

質問「成年被後見人である父が借主兼担保提供者で、成年後見人である息子がその連帯保証人となる場合は、利益相反になると思いますがいかがでしょうか?(父が返済の遅延した場合、息子は連帯保証人として債務を弁済せずに、父の担保を処分させてしまう)」

回答 利益相反行為にはならないと考えられます。

理由
 そもそも借金をした者がそれを返済できず、担保権を行使されてしまい、財産を失うことは、法律上、当然のことです。連帯保証人である息子が債務を弁済せずに、父親の資産を失った場合に、息子が得ることは特にありません。後見人である息子が利益を得るわけではありませんので、利益相反行為には該当しません。

 ただし、借金をした時期が後見開始がなされた後か、その近くになると、話は変わってきます。借りたお金の使途に関して、実質的に後見人である息子が利益を得ている場合には、利益相反行為であり、後見人の職務権限濫用であり、後見人の解任事由になります。

 そもそも、成年被後見人であると法的に認定された人物が、借金の意味を理解して、借主になると意思表示することは、精神鑑定の実務上、ありえないことです。この場合、金銭消費貸借契約や抵当権設定契約などに関与した金融機関の責任も追及されると考えられます。


 以上が、ご質問への回答になります。ご不明な箇所はまたお問い合わせください。ありがとうございました。
posted by 守屋行政書士事務所 at 23:08| Comment(2) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月18日

アルコール性痴呆による補助開始事例

 『名古屋家庭裁判所における成年後見事件の調査事務の実情』(家庭裁判月報54巻10号 2002年10月)から引用。
 
 52歳男性の事例です。
(1)医学的診断と診断所見
 飲酒が続いて仕事を休むようになり、アルコール依存症の診断を受け入院。退院後、通院を続け断酒も継続する。IQは43と低下。

(2)判断能力の判定と判定の根拠
 IQ43と低下しており、判断力が低下。自発性低下が顕著で整容も保てず、怪我や火傷の対応も一人でできない。本人に判断能力がなく、他人の言いなりに契約書に印をついてしまう。保佐開始相当と判断する。

(3)診断した医師に対して家庭裁判所調査官が調査した結果 
 診断した医師に対しては、アルコール性痴呆の内容と判断能力の関係について見解を聴取した。医師によると、アルコール性痴呆という臨床的概念は確立していないが、知的能力や日常生活能力の低下が見られる例があり、本人もこれに当たる。
 
 契約トラブルについては、家族からの情報で、怪我や火傷については本人が適切に対処できないことを診察時に確認している。財産管理には常に援助が必要であり、一人住まいもおぼつかないと思われる。

 医学的診断で保佐開始相当と出たにもかかわらず、補助相当と審判した理由は記載されていません。

 国際疾病分類(ICD−10)によれば、F10 アルコール使用<飲酒>による精神および行動の障害として区分されています。F107「アルコール性認知症」です。
posted by 守屋行政書士事務所 at 13:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月17日

頭部外傷による保佐開始事例

 『名古屋家庭裁判所における成年後見事件の調査事務の実情』(家庭裁判月報54巻10号 2002年10月)から引用。

 57歳男性の事例
(1)医学的診断と診断所見
 交通事故により脳挫傷。外傷による前頭葉の障害。作話(つじつま合わせの発言)、行動の自発的開始の障害、記銘力の低下、病識の欠如。高次脳機能障害。

(2)本人調査の結果
 表面的な意思の疎通姓は良好であり、初対面では障害を見抜けない。表面的な会話は流暢なものの、10分前の記憶がなく、日常生活にも支障を来たしていて、援助なしでは一人暮らしは困難なことが窺われる。

(3)診断した医師に対して家庭裁判所調査官が調査した結果
 脳外科医の医師に、問診での様子、治療及び症状の経過、実施された各種検査とテスト結果を尋ねたところ、少なくとも保佐開始以上の判断能力の低下があると考えられたことから、鑑定を実施することとなった。
posted by 守屋行政書士事務所 at 12:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月15日

頭部外傷による補助開始事例

 『名古屋家庭裁判所における成年後見事件の調査事務の実情』(家庭裁判月報54巻10号 2002年10月)から引用。

 29歳女性の事例です。
(1)医学的診断と診断所見
 交通事故による頭蓋骨骨折、脳挫傷、外傷性脳内出血。中程度の知的低下、注意力障害、抑うつ、感情抑制不良、怒りやすい状態。

(2)本人調査の結果
 本人申立て。弁護士が代理人に就任していたので、代理人を先に面接し、申立ての動機及び本人の状況について情報を得る。
 本人は、人定事項や経歴などはすらすらと答えられ、記憶力と理解力はおおむね確かであった。ただし、交通事故のことになると記憶はあいまいである。

(3)診断した医師に対して家庭裁判所調査官が調査した結果
 判断能力の判定は保佐開始レベルになっているが、本人調査から補助開始レベルとの感触が得られたので、診断書を作成した外科医にその根拠を確認することを目的に医師の調査に臨む。担当医師は、診断書手引を読んでいないという話だったので、医師に対して、診断方法を説明し、補助開始相当に判断能力の判定を変更してもらった。
posted by 守屋行政書士事務所 at 16:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月14日

被後見人の貯金を横領して起訴

 13日付朝日新聞から引用。未成年後見人として就任していた祖母が被後見人である孫の貯金を引き出し、子(孫からみたら叔父)の生活費等に流用していたとして、後見人と子夫妻を業務上横領罪で起訴したという記事です。

 福島家庭裁判所から告発されていた事件です。刑法上では、親子・祖父母らの直系血族間の窃盗は事件として扱わないことが取り扱いですが、今回は福島家裁も被害者であるとして、異例の扱いのようです。

 ちなみに未成年後見人とは、未成年者に対して親権を行使する者(父・母)が死亡した場合や、親権を行使できなくなった場合に、家庭裁判所が選任します。

 成年後見制度は、精神上の障害のために、事理弁識能力に支障が生じた場合に、その人を制限行為能力者と認定して、法的に支援・保護します。未成年者は、「精神上の障害〜」がなくても、年齢が20歳に満たないという理由のために、制限行為能力者に含まれるので、後見人がつくことになります。通常は、親が親権者として養育監護しますが、親がいなくなれば、その代わりに誰かが後見人として活動することになります。
posted by 守屋行政書士事務所 at 15:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月13日

高齢消費者見守りネットワーク連絡協議会 第1回会合 議事要旨

 内閣府ウェブサイトから引用。高齢者の消費者被害防止対策の検討会を発足したようです。
 よくある手口のパターンも掲載しています。
posted by 守屋行政書士事務所 at 08:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする