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守屋行政書士事務所HP

2009年12月05日

緊急小口資金貸付 神奈川県社会福祉協議会に情報公開請求

 2009年11月12日に生活保護開始申請をした件について、同日、他法他施策の活用と生活保護開始前の資金確保策として、生活保護開始申請者の地元の社会福祉協議会に緊急小口資金の借入申込をしたところ、門前払いの応答しかありませんでした。

 しかし、どうもこの対応には明文の根拠がないので、11月20日に緊急小口資金の借入申込書を提出しました。

 ところが、社会福祉協議会からは何の音沙汰もなく、12月1日に貸付制度の実施主体である神奈川県社会福祉協議会に緊急小口資金を貸さない根拠についての情報公開請求書を発送しました。

 緊急の場合の少額資金貸付制度ですが、全く、緊急対応になっていません。なぜ、借入申込者に面接するなどして具体的な事情を調査したり、返済プランを検討したりせずに、黙殺するのか。理由を突き止め、改善を求めることも手続代理人としての行政書士の仕事のひとつです。
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2009年10月26日

生活福祉資金の貸し渋り? 神奈川県社会福祉協議会

 各都道府県の社会福祉協議会が担当している生活福祉資金貸付制度の中の緊急小口資金に関して、生活保護開始申請者が生活保護を利用できるまでのつなぎ資金として利用できるように、先日、市町村の社協を通じて神奈川県社会福祉協議会に問い合わせたところ、生活保護の開始を申請した人は、貸付の対象外との返事がありました。

 ところが、後でたまたま見つけた平成21年3月18日付の社援地発第0318001号、厚生労働省社会・援護局地域福祉課長名の通知を見ると、公的給付の開始前までの生活費として、緊急小口資金を貸付できると書いてあります。

 一方、これもたまたま見つけた北海道社会福祉協議会担当者の2007年の報告書では、生活保護の支給対象外のことに対して生活福祉資金を貸し付け、返済も完了した事例が記載されています。

 ということは、生活保護を利用しているからカネを貸さない、生活保護費では、借金を返済させないことがルールではないことになります。

 もともと生活福祉資金制度は、資金に余裕がない人たちのための福祉制度です。そのような人にどれだけ融資して、どのようにして返済してもらうかを立案することが社会福祉協議会の貸付事業ではないでしょうか。

 神奈川県社協では、カネがない生活保護利用者(開始申請者)の個別の事情を聴取・検討することなく、一律に貸付を否定していて、これって、明確な理由がない単なる貸し渋りと考えます。

 というわけで、国の方針との相違はなぜおきているのか、神奈川県社会福祉協議会の貸付基準について、情報公開請求をする予定です。進展があり次第、ここでまた報告します。
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2009年07月17日

結局、成年後見制度って何なの?

 1年に1回の更新になっています。

 行政書士の仕事を始めて、5年を経過することができました。これまで当事務所に発注してくださったお客様に感謝の気持ちをここで表します。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

 さて、最近考えたことに、成年後見(任意後見+法定後見)制度とは、結局どのようなものなんでしょうかということです。結論としては、特に財産権の行使に関連したある特定の人の法律上の権限を喪失させ、特定の人に任せるための手続とでも表現できるかと思います。

 憲法で保障している抽象的な権利を制限(剥奪)するわけですから、厳格な手続が必要です。しかし、その権利を具体的にどのように活用しているかは、人それぞれであります。権利の行使の難易度としては、これもまた人それぞれになりますが、一般的にはそれほど難しいものではありません。

 成年後見人(保佐人、補助人、任意後見人)として必要な最低限の資質は、きちんと文書で報告できること、他人に流されずに問題意識+調査能力(勉強する力)があること、質素倹約の生活をしている(できる)こと、数字が読めること、他人との対立を恐れず実行することなどでしょうか。

 成年後見(任意後見)に関する仕事の内容はそれほど難しくありません。しかし、後見(保佐・補助)される側の利益を確保するためには、社会的地位や権威とは別の基本的資質が成年後見人等に求められていると考えます。

 残念ながら、この成年後見関連の仕事も消費者被害救済の対象になっています。他人の資産を預かり、預けた本人が自由に活動できない状況では、権限を濫用することもでてきます。

 また、法律上の成年後見・任意後見以外の様々な問題に同時に直面します。社会保障制度・社会福祉制度ほかのいろいろな課題にどのように対処するのか、どのようにして問題を解決するのか。自分の人生と同じように、動態的な仕事です。

 成年後見制度に関連した様々な問題、法的・経済的・社会的な問題について、疑問やトラブルがございましたら、随時ご連絡ください。皆様が抱える問題の解決を仕事としております。
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2006年05月14日

日本司法支援センター

 総合法律支援法に基づき設立された中核団体。日本全国で司法サービスが受けられるように、情報提供、犯罪被害者支援、民事法律扶助(金銭補助)などを活動対称にしています。通称「法テラス

 2006年10月からサービス提供開始の予定だそうです。成年後見制度の情報提供も主力事業になっています
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2006年05月05日

登記事項証明書の保佐人の同意を得ることが定められた行為とは

 民法13条1項で定められている行為以外の行為(日用品の購入その他日常生活に関する行為を除く)のことです。同意項目を追加した場合に、登記事項証明書に記載されています。
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2006年03月06日

「その他」と「その他の」の相違

 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第5条では、精神障害者の定義をしています。「この法律で『精神障害者』とは、統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者をいう。」としています。

 公用文に使う用語で、「その他の」とは、前に掲げる用語を例として掲げ、「その他の」の後に続く抽象名詞には、具体的事例も含まれます。つまり、「精神疾患を有する者」には、「統合失調症」、「精神作用物質による急性中毒又はその依存症」、「知的障害」、「精神病質」が含まれます。

 よって、精神疾患がある者が精神障害者になります。精神疾患とは、国際疾病分類(ICD−10)の区分になります。認知症も該当します。また、成年後見制度での認定条件とは異なります

 公用文に使う言葉で、「その他」とは、並列して使いますので、「その他」の前に掲げる事例は「その他」の後に続く名詞に含まれないことになります。
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2005年12月02日

心神喪失の常況と心神耗弱の言い換え

 成年後見制度の立案を担当した小林昭彦・大鷹一郎・大門匡編『一問一答 新しい成年後見制度』(商事法務研究会 2000年)32ページからの引用です。

 旧法の準禁治産者の状態を指す「心神耗弱」は、その表現がわかりにくく否定的な印象を伴うという指摘があったため、これをわかりやすく客観的な表現に改めたのが、「精神上の障害により事理を弁識する能力を著しく欠く」という表現である。

 同じく禁治産者の「心神喪失の常況」もその表現がわかりにくく否定的な印象を伴うという指摘があったため、これをわかりやすく客観的な表現に改めたのが、「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況」という表現である。

 言葉を変えただけで、言葉の意味内容は新旧法で変更なしです。
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2005年12月01日

適合性の原則とは

 各種商品・サービスを提供する場合に、事業者側には、顧客の知識、経験、所有財産の程度を超えて、消費者を勧誘してはならないという商取引に対する姿勢のことを適合性の原則といいます。

 各種の消費者法で導入されています。
(1)消費者基本法第5条第1項「事業者は・・・消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念にかんがみ、その供給する商品及び役務について、次に掲げる責務を有する」
 第3号「消費者との取引に際して、消費者の知識、経験及び財産の状況等に配慮すること」

(2)金融商品の販売等に関する法律第8条「金融商品販売業者等は、業として行う金融商品の販売等に係る勧誘をしようとするときは、あらかじめ、当該勧誘に関する方針を定めなければならない」
 第2項第1号「勧誘の対象となる者の知識、経験及び財産の状況に照らし配慮すべき事項」

(3)商品取引所法第215条「商品取引員は、顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行って委託者の保護に欠け、又は欠けることとなるおそれがないように、商品取引受託業務を営まなければならない」

(4)特定商取引に関する法律施行規則第7条第3号(訪問販売における禁止行為)「顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行うこと」

 
 高齢者や障害を抱える人たちの消費者被害を事後救済する視点として、意思無能力という論理もありますが、それ以外にもこの適合性の原則違反が活用できることになります。

 例えば、毎月数万円程度の年金収入しかない人が返済が困難になるくらいの金額の商品・サービスを購入することは、それを契約したらどのような状態になるかを理解していないことで、意思無能力の証明にもなります。また、事業者側がそのような人を営業して契約の勧誘することは、適合性の原則違反になります。よって、各種商取引規制法に加えて、民法の一般条項からもその商取引の違法性が証明され、契約無効になる可能性が大きくなります。

 この適合性の原則と消費者契約法や特定商取引法における事業者から消費者への説明義務規定が被害救済に活用できます。
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2005年11月29日

「精神上の障害」は「精神障害」とは異なる?

 意思能力の有無に関して、裁判で争うということは、法律上の判断と医学上の診断は異なることを意味します。民法第7条では、後見開始申立ての条件として、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者と定めていますが、これは、医学上の精神障害とは異なります。

 後見、保佐、補助とは、特定の人の行為能力を制限する法律制度ですので、専門家による調査(医師による診断→精神障害に該当するか否か)を材料にして、家事審判官(裁判官)が法的評価(審判)を下すことになります。

 例えば、精神疾患に関して、WHO(世界保健機構)の作成した、ICD-10という分類をしていますが、非常に包括的な区分になっています。
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2005年10月29日

身分証明書とは2

 各市区村長から発行される身分証明書の説明です。身分証明書の提供により公証される情報は次の内容です。

@破産者
 破産手続開始決定があった場合の地方裁判所からの通知。転籍した場合の前の本籍地市区町村長からの通知に基づき破産者名簿を作ります。

A禁治産者・準禁治産者 
 2000年4月1日以前に禁治産者・準禁治産者になった人の名簿を作成しています。

B成年後見登記
 後見が開始された場合と旧禁治産・準禁治産宣告の表示を戸籍の記載から登記による公示に移行することを申請した場合に、後見登記を管轄する東京法務局から市区町村に通知されます。成年被後見人が選挙権・被選挙権を持たないことと印鑑登録できないことから、市区町村における選挙人名簿の作成と印鑑登録事務の便宜上、該当者の市区町村に通知しています。

 証明書の記載では、@〜Bの通知を受けている(通知を受けていないこと)を証明する記載になっています(以上、東京都特別区戸籍実務研究会・日本加除出版株式会社編『行政証明の実務の参考様式集』日本加除出版 2003年 191〜197ページ)。
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2005年07月07日

遺産分割協議が成年後見制度利用の動機になる理由

 相続発生 →遺産の分割をする時には、相続人全員(遺贈があれば包括受遺者)が分割協議の当事者になりますので、ひとりでも欠けた状態で、遺産分割協議を成立させてもその協議内容は法的には無効です。よって、物事の判断や意思表示に欠ける状態にある人には、法的に意思表示の代理人をつける必要があり、後見申立ての動機になります。

 また、遺言があっても、相続人全員(包括受遺者含む)の合意があれば、その遺言とは異なる遺産の処分方法を定めることができます。この場合にも、成年後見制度が利用されています。 
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2005年07月03日

成年後見人と保護者の役割の相違

 成年後見人が保護者になる事例としては、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第20条の規定と知的障害者福祉法第15条の2の規定があります。このうち、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律では次のように定めています。

 第20条「精神障害者については、その後見人又は保佐人、配偶者、親権を行う者及び扶養義務者が保護者となる」

第2項 保護者が数人ある場合において、その義務を行うべき順位は、次のとおりとする。ただし、本人の保護のため特に必要があると認める場合には、後見人又は保佐人以外の者について家庭裁判所は利害関係人の申立てによりその順位を変更することができる。
一  後見人又は保佐人
二  配偶者
三  親権を行う者
四  前二号の者以外の扶養義務者のうちから家庭裁判所が選任した者

第21条 「前条第二項各号の保護者がないとき又はこれらの保護者がその義務を行うことができないときはその精神障害者の居住地を管轄する市町村長(特別区の長を含む。以下同じ。)、居住地がないか又は明らかでないときはその精神障害者の現在地を管轄する市町村長が保護者となる」

 つまり、成年後見人または保佐人が就任している時には、必ず、その人が精神障害を抱える成年被後見人または被保佐人の保護者になります。

 それでは、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律における保護者の義務とはなんでしょうか。
@精神障害者に治療を受けさせること
A精神障害者の財産上の利益を保護すること
B精神障害者の診断が正しく行われるよう医師に協力すること
C精神障害者に医療を受けさせる際に、医師の指示に従うこと(以上、法22条)
D退院・仮退院した者を引き取ること
E仮退院した者を保護する際に、精神病院または指定病院の管理者の指示に従うこと(以上、法41条)


 一般に成年後見人の職務として、入院(診療)契約の締結があります。これは、成年被後見人が病院で治療を受けるための契約代理権の行使であり、診療報酬の支払い契約を代理する行為です。身上監護義務としては、このほかに、不必要に身体拘束されていないかなどの入院中の処遇をチェックすることはありますが、個別具体的な治療プランに本人の代理で同意する権限はありません

 したがって、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律における成年後見人の義務は、本来の職務から上乗せされていることになります。保佐人の職務は民法第13条で定める財産上の処分行為の同意の付与に基本的には限定されていますので、さらに厳しいことを求められることになります。

 したがって、以上のような事情も職業として成年後見をすることへの消極事由になりがちです。それではどうするか。例えば引き取る義務というのは、成年後見人の自宅に同居させるというのではなく、別の病院に入院させるなどの処遇をすることなどに読み替えて職務権限を行使することになります。法の規定が十分ではなく、グレーゾーンであることは家庭裁判所でも認めています。

 なお、知的障害者福祉法第15条の2では、保護者を配偶者、親権を行う者、後見人その他の者で、知的障害者を現に保護する者と定めています。保護者の義務は、特に定めていません。
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2005年06月29日

本人の利益のため特に必要があるとは

 任意後見契約が登記されているときは、「本人の利益のため特に必要があると認めるときに限り」、後見(保佐・補助)開始等の審判をすることができると定めています(任意後見契約に関する法律第10条1項)。最初に法定後見(保佐・補助)が利用されているときは、「本人の利益のため特に必要があると認めるとき」は任意後見監督人は選任されず、任意後見契約は発効しません(同法第4条1項2号)。任意後見契約と法定後見の関係に関して問われる「本人の利益のため特に必要があると認めるとき」とはどのような事情なのでしょうか。

 一般的には、当初締結した任意後見契約で任意後見人に与えた代理権の範囲が必要な状況に対応できず、かといって、改めて契約し直すことも本人の事理弁識能力が悪化したことでできないために、同意権と取消権がある後見人を設置し本人保護をすることが考えられます。

 他には、任意後見人の報酬額が高額すぎる、任意後見人が任意後見契約第4条1項3号ロ「本人に対し訴訟をし、またはした者およびその配偶者並びに直系血族」に該当する場合、同号ハ「不正な行為、著しい不行跡その他任意後見人の任務に適しない事由がある者」に該当するなど、任意後見契約を継続することが本人保護に欠ける場合を「本人の利益ために特に必要があると認めるとき」と論じた裁判事例があります(大阪高裁平成14年6月5日決定)。

 この裁判は、長男が両親に対して保佐開始申立てをし、その手続き中に次男が次男を任意後見受任者とする任意後見契約を両親と締結し、どちらが優先するのかと争われた事例です。一審では、長男と次男間で紛争状態であるために、中立公正な立場である第三者の弁護士を保佐人とする保佐開始審判をしました。これに対して次男が不服申し立てをしたという裁判です。

 大阪高裁の判断です。
@自己決定権の尊重から、任意後見を選択した場合には、法定後見を必要とする例外的事情がない限り、任意後見を優先する。
A任意後見契約が締結され、登記されていて、契約の無効原因もない場合に、保佐を開始するためには、「本人の利益のため特に必要がある」と認められることが必要である。
B保佐開始申立て後に任意後見契約が登記された場合でも保佐開始審判をするためには、「本人の利益のため特に必要である」ことを調査することが必要である。
C原審では、Bの審理・調査が尽くされていないので、保佐開始審判を取消し、差し戻す。

 法定後見人候補者と任意後見受任者が対立しているだけでは、「本人の利益〜」を論じる材料として不足し、任意後見契約の無効原因にはならないことになります。任意後見契約(公正証書)の作成過程の有効性も検討しなければならないようです。

 法定後見申立ての時に、登記事項証明書を提出する意味は、任意後見契約が締結されているかいないのかを調査する意味もあります。
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2005年06月28日

責任無能力者の監督者の責任

 民法の不法行為の規定では、責任能力を欠く者は損害賠償責任を免じられ、その者に代わって、監督するものが責任を取ることになっています。713条では、「精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、賠償責任を負わない」と定め、714条で「無能力者に責任がない場合は、監督義務を怠らなかった場合を除き、監督すべき法定の義務ある者が無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任がある」としています。

 成年被後見人は事理弁識能力を欠く常況にある人ですので、責任無能力者に該当します。それでは、成年後見人は監督者であり、責任を負わなければならないのでしょうか。学説では、監督者に成年後見人が含まれています(加藤雅信『新民法体系5 事務管理、不当利得、不法行為』その他)。禁治産者時代でも同様です。

 2005年1月18日に横浜家庭裁判所で開催された成年後見制度運営協議会の報告書によれば、この疑問に対して、「成年後見人と民法714条の関係については、必ずしもこれまで検討されてきていないように思う。今後の検討課題とさせていただきたい」と記載されています。

 過去の裁判では、714条に関して、未成年者の犯罪に対して、両親の責任を追及した事例があります(最高裁昭和49年3月22日判決)。強盗殺人を犯した中学生には責任能力があり、その監督義務者である両親には、709条による不法行為が成立するとしています。

 また現在の最高裁判所に該当する大審院での昭和18年4月9日判決では、8歳の不法行為に対して、親権者が監督義務を怠らなかったことを立証しない限り、714条の監督義務者責任があるという記録があります。

 成人の禁治産者の犯罪等に対する監督義務者である後見人の責任に関する裁判事例を書籍や判例集で見つけられなかったので、別の論旨もあるかもしれませんが、監督義務者に成年後見人も含まれていることから、成年被後見人の犯罪や不法行為に対する責任追及が成年後見人にあるかもしれないことは理解できます。

 民法の規定では、後見人の職務に関して、成年被後見人の意思の尊重、身上配慮義務(858条)や事務取り扱いにおける善管注意義務(869条)が課されています。後見人としての仕事をする時にちゃんとやれよという規定です。これは後見人自身の職務ですから当然のことですが、他人の責任まで負わなければならないのでしょうか。これは困ったことです。

 成年後見制度導入の趣旨は、より積極的に被後見人の人権を尊重していこうというものです。後見制度に対して、専門家による事業サービスを導入し、適切な生活の質を提供する狙いがあります。これに対して、仕事をやってもらいたいですけど、サービスを受ける側の責任も肩代わりしなければならないとなると、誰が新規参入するというのでしょうか。後見人が家族であってもリスクが大き過ぎます。

 かといって、被害を受けた側は誰かに責任を取ってもらいたいことはこれまた当然のことです。泣き寝入りを黙認することはできません。しかし、成年後見人が被後見人を24時間に近い状態で監督することは、報酬請求額も莫大な金額になることが予測され、現実的な解決策ではありません。成年後見制度導入時の法務省の説明にもないですし、法案担当者は、先送りしたということでしょうか。家庭裁判所での申立て手続において、公的な成年後見保険制度への料金支払などが必要かもしれません。
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2005年05月16日

親亡き後の財産管理・身上監護

 お子さんに障害がある場合、親御さんはお子さんの将来をとても心配しているでしょう。お子さんの将来のための成年後見制度の活用方法のご説明です。

(1)事前に任意後見契約を結んでおく。
(2)法定後見(保佐・補助)を開始している場合で、親御さんが後見人(保佐人・補助人)である場合には、親御さんの死後に成年後見人等になるように依頼しておくか(死後の事務委任契約成年後見人等選任申立て手続・成年後見人等の欠員補充)、あるいは生前に別の人物(法人含む)に、成年後見人等に就任してもらう(成年後見人等の増員)手続をしておくことが考えられます。

 もっとも一般には、お子さんよりも成年後見人等に就任する人のほうが年齢も高く、お子さんよりも死亡する確率は高くなります。また、交通事故や大規模災害などに遭う可能性もあります。

 そのための予防措置として、行政書士その他の事業者であれば、成年後見等に取り組むための団体を作っていることが多いです(例えば、特定非営利活動法人神奈川成年後見サポートセンター:宣伝です)。その団体を成年後見監督人にするか、団体加入事業者であれば、その事業者が事業を継続できない場合には、団体内の他の事業者を代わりに担当させる手続をとるので、例えば親御さんの知人に後見人等を任せることよりは、空白期間なく後見人等を確保できるという視点からお勧めであるといえます。
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2005年05月09日

一身専属権の行使と意思能力

 成年後見人・保佐人・補助人が本人に代わって権利を行使したり、本人の権利行使を同意することに、本人の一身に専属すること、例えば、結婚・離婚、養子縁組、遺言状の作成などは含まれません。しかし、成年被後見人・被保佐人・被補助人として認定されている本人の一身に専属する権利の行使は、意思表示されたことは事実だから、何でもOK、法的に有効と即座に判断されるわけではありません。トラブル防止のために、それぞれの行為は本当に本人の意思に基づいたものなのかを厳しく検証する必要があります。

 例えば結婚や養子縁組などの身分上の形成に関することならば、結婚や養子縁組をすることで、どのようなことが生じるのかを具体的に把握している必要があります。同居の義務、扶養の義務、財産の相続、そのほかにも結婚生活をすることや親子関係を形成することには、いろいろと困難なことがつきものです。それらを理解する意思能力、具体的には精神鑑定を検証することで、法的には身分形成行為の形式的な成立要件である届出書類の記載に不備がなかったとしても、無効とされた裁判事例があります。

 また、意思能力だけでなく、具体的な生活の実態も当然ながら必要です。

 遺言することに関しては、遺言の程度により求められる意思能力が異なります。口頭で、1つないし2つ言い残す場合と、法律上の形式要件をクリアした遺言状を作成することとはまったくの別物になります。また、その遺言により具体的にどのようなことが生じるのかを本人自身がどの程度理解しているのかを調べる必要も出てきます。
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2005年05月06日

どうやって契約解除する理由を見つけるのか?

 前日の記事のように、高齢者をターゲットにした悪質な商売を展開している訪問販売事業者への対策の伝授です。そもそも消費者被害救済を事業目的にしている方々、例えば国民生活センターとか、全国各地の消費生活センター、行政書士事務所、弁護士事務所その他の団体は、どうやって、その仕事をしているのでしょうかという解説です。

 答えは簡単です。
@被害を受けた商品やサービスを確認します。
Aその商品やサービスを管轄する法律を探します。
B探し当てた法律の中には、どのようなこと(販売方法、消費者への告知をしないことその他)をすると法律違反になり、事業者を監督する行政機関の指導・罰則や刑事罰の対象になるかが書かれています。
Cお客様に対して、事業者が具体的にどのようなことをしたのか。商品やサービスの売り込み方法、発言内容、お客様に渡した書類などを確認します。
DCで聴取した内容が、Bの法規定に該当するかを照らし合わせます。
E過去の先例(特に裁判事例)を調べ、同じような状況があるかどうか、そしてそれに対する裁判所の解釈・判断を確認します。
Fお客様の事例に対する法的な解釈の答えが出てきます。
G契約解除、損害賠償請求等の意思表示、具体的行動。行政機関や警察署への通報により、民事・刑事・行政処分による被害者の救済活動に着手します。

 ざっとこのようなやり方です。具体的にどのような法律を適用すればよいのか。過去の先例の調査とその解釈。事例は個々のお客様により異なりますので、お客様の事例に法の規定をどのように当てはめていくのかということを調査し、解釈すること。そして具体的な被害救済活動に関して、専門家のサービスを活用する意義が出てきます。
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2005年05月05日

消費者被害防止にも成年後見制度を活用してください

 別ブログと同じ内容ですが、成年後見制度に関連する記事です。5日のYahoo!ニュース(毎日新聞)から引用。埼玉県の高齢者姉妹がインチキ住宅リフォーム会社にだまされて工事契約し、全財産を奪われたという記事です。非常に憤る事態です。

 姉妹は認知症と診断され、どのような事態が生じているのかは理解していない様子と報じられています。同一業者が社名を変えて何度も契約していたり、顧客名簿をインチキ業者間で売買してターゲットを選出しているらしいと記事に掲載されています。広告チラシの裏に領収証が書かれているともあるので、姉妹が話を理解していないことを承知でカネを引き出させたと推測できます。

 住宅リフォームは特定商取引法の規制対象サービス(指定役務)であり、民法等の一般法も含めて被害救済の請求根拠法になりますが、こういうインチキ業者は商号を次々に変えて乗り込んできますので、いったんカネを支払ってしまうと完全に取り戻すことは非常に難しいと思われます。家族・親族、近隣住民、市区町村長の働きかけで、人権(お金は立派な財産権です)を擁護することが求められ、そのための法制度として成年後見制度があるのですが、なかなか普及していないのも現実です。

 成年後見制度とは、認知症の本人に代わって契約を締結することや、本人が契約した内容を取り消すことができるという法制度です。取り消すということは、いったんは契約が成立することですので、カネを支払ってしまうと取り戻すためには労力がかかることには変わりありませんが、何もないよりははるかに役に立ちます。被害発生の事前予防には、消費者被害防止や成年後見制度の活用を事業対象にしている行政書士業界の責任もあります。

 インチキ訪問販売事業者への対策です。万が一、契約書にサインをしてはんこを押したからといって、その契約が絶対的に有効になるとは限りません。つまり、カネさえ支払わなければ問題ありません。契約解除はできるということです。契約を解除する理由はいくらでも見つけられます。それから、事業者が未払いのカネを払えといって押しかけてきても相手にする必要はありません。「文句があるなら裁判所を通じて請求して来い」で十分です。

 代金を支払ってしまうと、返還請求することの手間がかかりますので面倒といえば面倒なことになります。ご不明なところは迷わずあきらめずにお問い合わせください
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2005年05月04日

制限能力者の詐術(さじゅつ)

 契約取消権の行使に関連して、成年被後見人・被保佐人・被補助人等の制限能力者が相手側をだまして(詐術)、能力者であると信じさせた場合には、制限能力者や成年後見人・保佐人・保佐人は、その契約を取り消すことができません(民法第20条)。

 制限能力者が自分が成年被後見人等であることを契約を求めた相手側に伝えなかったことだけでは、詐術に該当しません。相手側をだます意図があることが詐術かそうでないかの判断基準になります。よって、話の内容だけでは、制限能力者であると判断できない場合でも、詐術と認定されるケースは例外的であり、契約を取り消すことができる事例がほとんどであるといえます。契約書面に署名・押印等してあったことは、直接には、能力者であることを詐称したことにはつながりません。署名・押印等までの過程が厳しく問われます。
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2005年05月03日

成年被後見人と契約をした側からの催告権

 成年被後見人(被保佐人・被補助人)等の制限能力者と契約をした相手側は、契約の取消権を行使されることに対応して、契約を取り消すのかどうかを返答しろと確認することができます。この確認行為を法律用語では、催告(さいこく)といいます(民法第19条)。

 確認方法は、1ヶ月以上、期限を設定して期限内に回答しろと伝えます。この期間内に成年後見人、保佐人、補助人が契約を取り消しするかしないかを事業者側に伝えます。伝えなかった場合には、追認したとみなされます(同条2項)。

 成年後見監督人がいる場合には、後見人が意思表示する際に、後見監督人の同意を得なければならない場合があります(民法第864条)。この場合、成年後見人から催告をした契約の相手側に、取り消しするか否かの連絡がいかないときにはその契約は取り消ししたとみなされます(同条3項)。
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2005年05月01日

取消しできる行為の追認

 契約取消権を行使するといっても、いつまでも取り消しできるとなると迷惑といえば迷惑なことになります。成年被後見人など制限能力者相手の契約の当事者は法的に不安定な状況におかれます。取消しできる法律行為を取り消しの意思表示ではなく、有効であると確定する意思表示が追認(ついにん)と呼びます。
 
@追認できる人
 成年後見人です。成年被後見人などの制限能力者が追認する場合には、Bを参照してください。(民法第120条、122条)。

A追認の方法
 相手方に対する意思表示です。

B追認する時期
 追認することは、取消権を放棄することを意味します。よって、成年後見人等の法定代理人はいつでも追認できます。成年被後見人(被保佐人・被補助人)は、能力者となって、法律行為の意思表示の意味を理解できるようになってから初めて追認することができるようになります(民法第124条2項)。

C追認の効果
 法律行為を取り消す余地がなくなり、有効性が確定します。
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2005年04月30日

契約取消権の行使

 日用品の購入その他日常生活に関する行為を除いて、成年後見人が成年被後見人の行為を取り消すことができる(民法第9条)の規定とは具体的にどのようなことなんでしょうか。取り消すんだから、取り消すって言えばいいわけですが、法律上の規定の説明です。

(1)取消権者
 取消しできる人は誰か。成年後見人だけでなく、被後見人自身も自分の意思表示を取り消しできます(民法第120条1項)。

(2)取消方法
 民法の条文では取り消しするという意思表示を相手側に伝えるだけでOKとなっています(民法第123条)。もめそうな相手の場合には、内容証明郵便を活用することがよろしいかと思われます。

(3)取消の効果
 最初からなかったものとして扱われます(遡及効:民法第121条)。最初から法律効果が生じないということは、契約当事者に原状回復の義務が生じます。元の状態に戻せということです。成年被後見人が金銭を受領していた場合には、相手側に返還しなければなりません。その範囲は、全額ではなく、取り消しした時点で利益を受ける限度(現存利益)で返還すればよいと定めています(民法第121条但し書き)。

 現存利益の範囲とは、例えば、受け取った金額をギャンブル代金に使った場合には、その部分は返済しなくてよいことになり、食費や家賃など、生活上必要なことに使った場合には、その使った部分を返済しなくてはならないということを意味します。受け取った金額を第三者に騙し取られた場合にも現存利益はないと法解釈されています。お金の使い道によって、法的に返済しなくてはならないか、それとも返済しなくても許容されるかの分かれ道になります。

(4)立証責任
 金銭の消費が現存利益に該当するのかしないかを法的に証明する責任、したがってうまく証明できない場合の不利益を被ることになるのが当事者双方のどちらになるかは、現存利益がない(すなわちカネを返さなくてもよい)と主張する側(成年被後見人、後見人)が証明すべきであるというのが大原則です。しかし、そもそも被後見人というのは、精神上の障害により事理弁識能力を欠く常況にある人(民法第7条)ですので、無駄なことに使ったと推定するとして、成年被後見人の法的な責任を回避する説もあります。
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2005年04月25日

一身専属権

 一身専属権とは、特定の人だけが行使できる権利のことです。成年後見人は、被後見人の生活に関することをバックアップすることを職務としていますが、本人に代わって法律上の意思表示をすること(代理権、取消権の行使)に、被後見人本人の一身に専属する権利は含まれません。

 具体的には、結婚や離婚の意思表示、養子縁組、認知、遺言、臓器移植、尊厳死などに関して、後見人が、本人に代わって、意思表示をしたり、本人が既に意思表示したことを取り消しすることはできません。成年後見人の権限外のことになります。
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2005年04月17日

利益相反行為の事例

 成年後見制度はあくまでも被後見人本人の人権を尊重し、利益を確保することが大前提の制度ですので、後見人の立場や抱えている問題によっては、被後見人の利益を損なう行為とみなされて、特別代理人の選任手続が求められる場合があります。利益相反行為と考えられる事例の説明です。

@成年後見人が成年被後見人の財産を購入する場合 →処分する側が購入するということは売り手と買い手が同一人物であるともいえますので、適正な契約ができるかどうかは疑問です。

A介護事業者等が成年後見人になる場合 →@と同様に、サービスを提供する側が果たして本人の利益を第一に客観的に判断できるのかということで利益相反行為になります。サービス提供事業者と消費者の関係になるので、事業者を厳しくチェックすることが成年後見人の職務になります。法で定める後見人の欠格事由には該当しませんが、介護事業者やそこで働く職員が成年後見人になることは利益相反行為になると考えざるを得ません。

B親族・家族が後見人になった場合でも、介護サービス等の費用の支払のためには被後見人の預金・年金その他の財産を処分する必要があります。サービスを利用することをケチって相続できる資産を多くことも現実には考えられます。被後見人に不利な遺産相続に関する取り決めをする場合もあります。相続放棄、遺産分割協議、後見人の債務の保証人になることなどが利益相反行為に該当します。

C親族・家族あるいは第三者が後見人に就任したとしても、その後見人は被後見人の意思を十分に汲み取ることができるのでしょうか。
 
 疑い出したらきりがありません。しかし100%本人の利益を実現することはできないかもしれませんが、できる限りのことはする試み、実行する義務があるのも成年後見人の職務ともいえます。

 
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2005年04月10日

入院契約・個別の治療への同意と身上監護

 成年後見人の職務としての身上監護には、被後見人が入院を拒絶する意思表示をしない限り、被後見人に代わって(代理権の行使)、病院に入院する契約を締結することが含まれています。しかし、被後見人に対して、個別具体的な治療をするかしないか、手術の同意をするということを代理で決める権限は成年後見人には与えられていないというのが通説です。身上監護職務としての病院との診療及び入院契約には、成年被後見人に対する抽象的な治療を依頼することと、その対価を被後見人の財産から支払うことの約束に限定されています。

 病院では、手術をするときには患者やその家族の同意を求め、同意書にサインをさせることが慣行になっています。成年被後見人に家族がいないときには、後見人に同意することを求めています。法律効果としては、同意書自体に何の意味もありません。手術ミスがあれば、医療契約上の債務不履行または不法行為により、損害賠償請求をしているのが医療過誤事件です。

 治療をすることに際して、本人または家族等が同意することの法的な意味は、被後見人が強制的に治療されないことにあります。それでは、本人が意思表示をできない交通事故などで意識不明になった場合の救命治療はどのように解釈するかといえば、緊急事務管理(民法第698条)などのように、医療の実態を無理やり、強引に解釈しているともいえます。

 現実的にトラブル回避のために、成年後見人は、医師に対して治療への同意をする法的権限がないことを説明しつつも、親族・家族がいない場合には、サインをしなければ治療が進まないのであれば、同意書にサインをしているという後見人もいるようです。傍から見れば病院と後見人の間で責任の押し付け合いとも思われるかもしれません。


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2005年04月07日

成年後見制度における財産管理とは

 成年後見人の職務の説明です。成年後見人に就任したときには、被後見人の財産目録を作り、財産の全体像を把握し、毎年の支出予定を算出しなければなりません(民法第861条)生活費や介護サービスの利用・療養等の身上監護に必要な費用の計算のほかに、財産の運用という知識も求められます。しかし、投資で儲けることは成年後見人の法的な職務として要求されていません。あくまでもリスクは最小限に元本保証商品での運用・管理が求められます。被後見人の損失は最小限にするために、金融の専門家への相談が必要になることでしょう。

 家庭裁判所は後見人の監督のために、いつでも事務報告財産目録の提出を求めることと事務と財産の現況調査をすることができます(民法第863条)。よって、金銭管理の記録を明確に残さなければなりません。記帳や領収証の整理・保管は当然のことです。

 被後見人の居住用財産の売却・賃貸借契約、担保権の設定等の処分には、家庭裁判所が許可することが必要です(民法第859条の3)。

 成年後見制度における財産管理とは、資産を増やすことではなく、安全に管理することが第一の目的です。そのためには、被後見人とのコミュニケーションをとり、何を望んでいるのか、何を望んでいたのかということに誠実に職務を遂行することが求められています。
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2005年04月06日

身上監護とは

 成年後見人の職務である身上監護(しんじょうかんご)の説明です。被後見人に対して、具体的にどのようなことをするのでしょうか。

 医療・介護サービスの契約締結、費用支払、苦情申し立て、適正サービスかどうかのチェックなどが想定されています。成年後見人が被後見人を介護するのではなく、消費者として適正なサービスを受けられるような環境設定をする務めがあります。自己決定権の尊重という成年後見制度の理念から、本人の意思が確認できる場合には、十分に尊重しなければなりません。例えば強制的に受診させることはできません。介護施設への入所契約を本人に代わって行うことはできますが、強制的に入所させる権限はありません。

 成年後見人のもうひとつの職務である財産管理と身上監護が重なる場合もあります本人の居住用財産を処分する必要があるときは、家庭裁判所の許可を得なければなりません(民法859条の3)。

 あくまでも本人の利益の確保と人権擁護の視点から職務内容が判断されます。
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2005年03月15日

登記事項証明書とは

 成年後見等の申立てをする場合の提出書類の説明です。

 成年後見制度が導入する以前の制限能力者保護制度としての禁治産・準禁治産制度(戸籍への記録)と異なり、家庭裁判所の審判により、成年被後見人被保佐人被補助人と認定され、または任意後見契約が締結されると、その記録が登記されます。

 管轄法務局やインターネットを通じて誰でも閲覧可能な不動産登記制度や商業登記制度と異なり、成年後見制度に関しては、ある人が被後見人等であるかに関しては、不特定多数の人が登記事項を閲覧することはできません。必要なときに限定された請求権者が登記事項を記載した書類取得請求することになります(登記事項証明書の交付請求)。または、成年後見等の登記がなされていないことの証明書を交付請求します。
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2005年03月14日

身分証明書とは

 成年後見等の申立てをする場合に、家庭裁判所に提出する書類の説明です。成年後見人(保佐人、補助人、任意後見監督人)候補者に関する身分証明書を提出することになっています。

 身分証明書の発行は、市区町村長が行政実務として行っているものです。破産者であれば、成年後見人・保佐人・補助人・任意後見監督人の欠格事由に該当します(民法第847条、876条の2、876条の8、任意後見契約に関する法律第7条)。よって、裁判所から市区町村への通知に基いて作成している破産者名簿に該当ないことを証明するために、市区町村長発行の身分証明書を成年後見等申立書に添付します。
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2005年03月09日

支援費

 介護保険制度導入に際して、保健医療・福祉サービスの提供は、従前の行政機関担当者が決定(行政処分)をするという○○措置ではなく、サービス提供事業者と要介護者イコール消費者との契約で行われるように転換したことで、契約行為のサポートをする意義が成年後見制度にはあるという記事を書きました。身体障害と知的障害を抱える人々には、2003年4月から支援費制度が始まっています。

 支援費制度とは、障害を抱える人たちもそれまでの行政機関による○○措置(行政処分)ではなく、サービス提供事業者との契約によって購入するサービスを決め、一部負担金を支払い、行政機関がサービス購入代金の残額を事業者に支払う制度です。事理弁識能力が問われる知的障害を抱える方々には、ここでも契約サポートのために、成年後見制度(保佐・補助含む)の活用が大前提になっています。

 
 厚生労働省の支援費制度Q&A

 介護保険制度と支援費制度の比較

 しかし、財政破綻から介護保険制度と支援費制度を統合し、20歳以上のすべての人を被保険者として広く浅く保険料を負担してもらうように制度変更することを厚生労働省は考え、現在検討がなされています。
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2005年03月08日

代理権とは何か

 被保佐人・被補助人の事前同意があれば、本人に代わって法律行為をすることができる権利(代理権)を保佐人・補助人に与える審判を家庭裁判所ですることができます。ただし、婚姻や遺言状の作成のような身分上の行為や、病院での治療方針の決定のような他人による代理権の行使が認められない行為は、代理権付与審判の対象にはなりません。また、保佐人・補助人に代理権が付与されても、本人が保佐人・補助人の同意を得て自らが契約締結できることには変わりありません
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同意権とは何か

 審判を経て被保佐人・被補助人と認定された場合には、被保佐人と被補助人の行為は、本人をサポートする保佐人・補助人の同意を得る必要があります。被保佐人に関しては、民法第12条で定められた行為、被補助人に関しては、審判の過程で同意を得ることが必要と判断された行為がそれぞれ保佐人・補助人の同意を得る必要がある行為になります。

 同意を得ないとどうなるかといえば、保佐人・補助人だけでなく、その行為をした本人もその行為を取り消すことができます。事理弁識能力が十分でない方々に対する保護措置・被害救済措置の一環です。本人が不利益を被る可能性がないにもかかわらず、サポートする側が同意しない場合には、本人は家庭裁判所に保佐人・補助人の同意に代わる許可を求めることができます。
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2005年02月26日

事理弁識能力

 前日の記事では、事理弁識能力(じりべんしきのうりょく)を判断能力と記述しましたが、詳しい説明を見つけましたので引用します。新井誠・西山詮『成年後見と意思能力 法学と医学のインターフェース』(日本評論社 2002年)41ページからです。

 「成年後見各類型の発動要件である『事理を弁識する能力』とは、『判断能力』の法令用語的表現であり、旧制度(禁治産・準禁治産)の実務上において、家庭裁判所の審判例や鑑定書の中で実際に用いられていた用語である。・・・より具体的にいうならば、『知的能力』、『狭義の事理弁識能力(日常的な事柄を理解する能力)』、『社会適応能力』の3概念をすべて総合した広義の判断能力を示す趣旨で規定されたものであり、いわゆる『制御能力(認識の内容に従って自己の行動を制御する能力)』もその判定の考慮対象に含まれる」


 つまり、事理弁識能力 →知的能力+日常的な事柄を理解する能力+社会適応能力+制御能力になります。具体的にこれらの能力がどの程度あるかを判定するのが鑑定(診断)作業になります。
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2005年02月25日

後見・保佐・補助

 成年後見制度を利用する人の症状を法律では、「事理弁識能力(じりべんしきのうりょく)」の程度で区分しています。事理弁識能力とは、判断能力とも言い換えられていますが、具体的な能力判定方法やその基準はガイドラインで定めています。成年後見制度は、公的に人権を制限する制度(制限能力者、各種資格等の欠格事由)ですので、家庭裁判所は、専門家による鑑定診断を踏まえて決定(審判)をすることが裁判所規則で定めています。


 家事審判規則第24条「家庭裁判所は、後見開始の審判をするには、本人の精神の状況について医師その他適当な者に鑑定をさせなければならない。ただし、明らかにその必要がないと認めるときは、この限りでない」

 同規則第30条の2「第24条の規定は、保佐開始の審判をする場合について準用する」準用とは、保佐開始の審判の場合でも第24条と同じことをするという意味です。

 同規則第30条の9「家庭裁判所は、補助開始の審判をするには、本人の精神の状況に関する医師の診断の結果その他適当な者の意見を聴かなければならない」

 特別家事審判規則第3条の2「家庭裁判所は、任意後見契約法第4条第1項の規定により任意後見監督人を選任するには、本人の精神の状況に関する医師の診断の結果その他適当な者の意見を聴かなければならない」

 鑑定と診断の相違は、診断のほうがより簡易な認定方法になります。


 上記の鑑定・診断を経て、法律では後見を「精神上の障害により事理弁識能力を欠く常況にある人」と定義しています(民法第7条)。常に日常生活の買い物も単独ではできない状態を指すと説明されています。後見は、旧禁治産宣告制度における心神喪失の常況に相当します。


 保佐とは、精神上の障害により事理弁識能力が著しく不十分な人と定義しています(民法第11条)。旧準禁治産宣告制度における心神耗弱の常況に相当します。日常生活での買い物程度は単独でできても、それ以上のレベルの取引行為はできない状態を指します。

 なお、旧準禁治産宣告の対象であった「浪費者」は保佐の対象にはなりません。浪費であることが精神上の障害によるものであれば、改めて精神鑑定・診断をして保佐あるいは補助を利用することになります。


 補助とは、精神上の障害により事理弁識能力が不十分な人と定義しています(民法第14条)。「著しく不十分」との差異は、旧準禁治産宣告の対象であった心神耗弱までは至らない軽度の精神障害を指します。
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2005年02月22日

措置から契約へ

 成年後見制度の導入の背景としてよく説明に使われる「措置から契約へ」という言葉の解説です。成年後見制度と介護保険制度は2000年4月の同時期にスタートしています。介護保険制度は、介護の質・量ともに要介護者の家族だけでは、十分に対応できないことを受けて、社会全体で適切な保健医療・福祉サービスを提供しようとする目的で創設されました。そしてこの保健医療・福祉サービスの提供は、従前の行政機関担当者が決定(行政処分)をするという○○措置ではなく、サービス提供事業者と要介護者イコール消費者との契約で行われるように転換しました。

 しかし、消費者が事業者に対してサービスの提供を求める場合、どのようなことを求め、どのようなことを受け入れないかを判断できる能力が不可欠になります。したがって、十分な思考・判断・契約締結能力が発揮できない場合に、その人を支援する制度が必要になります。ここに成年後見制度がそれまでの財産管理と主たる目的とした禁治産制度に替わって新しくスタートした背景があります。続きも読んでください
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2005年02月21日

痴呆症から認知症の呼び方の変更に関して

 痴呆症から認知症へ呼び方が変わった理由とそれに対する異論を調べてみました。厚生労働省「痴呆」に替わる用語に関する検討会『第4回資料』(2004年12月24日)から引用です。

(1)「痴呆症」から「認知症」へ呼び方を変更した理由
@侮蔑感を感じさせる表現であること
A痴呆の実態を正確に表していないこと
B早期発見・早期診断等の取り組みの支障になること
 
(2)痴呆の言葉の由来
 明治の末期に、精神医学の権威であった呉秀三氏が「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」を提唱され、それが徐々に一般化していった。

(3)「認知症」を選択した理由続きも読んでください
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