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守屋行政書士事務所HP

2005年06月30日

介護サービスを受けられない認知症高齢者には介護保険料納付義務があるかその他

 衆議院ウェブサイトから、泉房穂議員(民主党)の質問に対する政府の回答です

質問@独居する重度の認知症高齢者など、判断能力の衰えから独力では介護保険サービスの利用の意思決定ができず、かつ、家族等外部からの助力も得られない高齢者は、事実上、介護保険サービスを利用することができないが、介護保険料を納付する義務があるのか。

回答@介護保険制度は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態又は要支援状態(以下「要介護状態等」という。)となったときに必要となる負担を社会全体で支える社会保険制度として創設されたものであり、一定の条件を満たした者を被保険者とし、その財源については、被保険者から徴収する保険料及び公費により賄う仕組みとなっている。したがって、サービスの利用の有無によらず被保険者であれば、保険料の納付義務は生ずるものである。


質問A判断能力の衰えた被保険者に対しても介護保険料の納付を義務付けている以上、保険者たる市町村は、これらの者がその選択に基づき介護保険サービスを利用できるよう意思決定の支援を行う義務があると考えるが、見解如何。また、介護保険法等の一部を改正する法律案による改正後の介護保険法第百十五条の三十八第一項第四号に規定する権利擁護事業には、判断能力の衰えた被保険者がその選択に基づき介護保険サービスを利用できるよう意思決定の支援を行うことは含まれるのか。

回答A被保険者に介護保険料の納付義務があることによって保険者が個々の被保険者の介護保険サービスの利用に係る意思決定を支援する法律上の義務が存在するとは考えていないが、そもそも市町村は、当該市町村の住民が生活していく上で必要な支援を行う役割を担っており、新法第百十五条の三十八において、被保険者が要介護状態等となることを予防するとともに、要介護状態等となった場合においても、可能な限り、地域において自立した日常生活を営むことができるよう支援するため、地域支援事業を行うことを規定している。
 
 また、新法第百十五条の三十八第一項第四号に規定する被保険者に対する虐待の防止及びその早期発見のための事業その他の被保険者の権利擁護のため必要な援助を行う事業としては、高齢者等からの権利擁護にかかわる相談に対応すること、成年後見制度の円滑な利用を図るため、普及啓発及び情報提供を行い、成年後見人となるべき者を薦めることができる団体の紹介を行うこと等を考えており、これらの事業を通じて、認知症等により判断能力の低下した被保険者がその選択に基づき介護保険サービスを利用することへの支援が図られるものと考えている。


質問B客観的に明らかに介護保険サービスを受ける必要があると認められる重度の認知症高齢者甲は、介護保険料を納付しているが、独居で他人の助力を得られないために介護保険サービスを利用することができない。保険者(**市町村のこと)乙は、甲を含めた被保険者の生活実態を把握することなく、漫然と甲が介護保険料を支払いながら介護保険サービスを利用することができないという状態を放置している。この場合において、甲は乙の不作為(被保険者の介護保険サービスの利用に係る意思決定を支援する作為義務の違反)により財産上の損害を受けていることから、民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百九条に規定する不法行為による損害賠償責任に基づき、乙から支払った介護保険料の返還を受けることが可能であると考えるが、政府の見解如何。

回答C一般論としては、保険者には介護保険サービスの利用の申請がない者も含めた個々の被保険者についてその要介護状態等を把握し、介護保険サービスの利用に係る意思決定を支援する法律上の義務はないことから、お尋ねの保険者乙には民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百九条に規定する損害を賠償する責任は生じないものと考える。


posted by 守屋行政書士事務所 at 09:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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