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守屋行政書士事務所HP

2016年07月07日

任意後見契約解除理由 資金ショート カネがなくなった時 消費者被害

 委任者と受任者との契約に基づく任意後見契約ですが、委任する(後見される)側の資金の枯渇で任意後見契約が解除される事例も珍しくありません。これって、実は消費者被害の可能性も否定できないというのが本文の主旨です。

 資金がなくなれば、生活保護ほかの申請をすればよいのですが、受任者(後見する側)がそれをしないで、契約の解除をしてしまうことがあり、これは大問題でしょうということです。契約上は、生活保護制度を利用しても所定の報酬が支払えないので契約解除になるとの論理です。

 任意後見契約書についてのよくある文例(ひな形)によると、契約解除については任意後見監督人が選任される前においては公証役場での認証により、任意後見監督人が選任された後では家庭裁判所の許可を得て任意後見契約を解除できると定めています。委任者が破産した時は任意後見契約が終了するとも定めています。裁判所で破産手続の開始決定を受ける必要があります。

 契約解除については「できる」と定めていますので、解除しなくてもよいのですが、契約の終了となるとその条件になると必ず終わりになることを意味します。つまり、後見される側のカネがなくなると自動的に終了になる趣旨は事前に明らかになっているのですが、後見される側の人がどれだけリアルに理解しているかは?なのが実態でしょう。

 単に年齢や判断能力の程度だけではなく、自分が職業として携わっていないことについてどれだけ理解できるかはかなり難しいことが一般的です。生命保険や医療保険の契約で分厚い契約書(約款)を隅から隅まで把握している契約者はどれだけいるのかと同じような観点です。

 となると、最初から資金ゼロでは任意後見契約は締結されないでしょうから、ある程度以上の資金があり、その資金で死亡するまでの間、後見を依頼して大丈夫との当初の想定のはずなのですが、異なる結果を招いた原因は何か。その原因を突き止める必要は生じますが、当事者の一方の判断能力等が徐々に衰えていくわけですから、最悪、後見がより必要な状態になった時に放り出されるという、カネだけ取られて放置されることも否定できません。

 任意後見監督人が選任された後での契約解除には家庭裁判所が関与しますので、移行型任意後見契約での後見開始前(任意代理)段階が特に問題になります。

 任意後見契約とは基本的には所定の報酬を支払うことにより成立し、存続する有償契約ですので、カネがなくなったら当事者の関係を清算することに肯定的な見解もあります。しかし、他人の支援がより必要になった状態で当初の約束とは異なり、契約を終了させることは消費者被害であることも否定できません。

 契約締結交渉時には、資金がなくなったらどうするのか、受任者の姿勢を問うべきですし、契約書には特約で明記すべき内容です。代理項目として生活保護の申請代理を設定することも入れておいた方がよいでしょう。


 当行政書士事務所では、契約書の立案、成年後見に関する諸問題、任意後見人、成年後見人・監督人としての活動、生活再建・貧困脱出計画の立案など各種のご相談を業としています。お問い合わせは電話090−3801−5933 電話受付9−23時です。
posted by 守屋行政書士事務所 at 13:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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