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守屋行政書士事務所HP

2005年06月12日

なぜ成年後見制度が必要なのでしょうか

 成年後見制度の意義の説明です。成年後見制度には、自己決定権の尊重、残存能力の活用、ノーマライゼーションなどの理念のように、各自の考え方や生き方を尊重し、代弁し、実行するという側面と、弱者の権利を保護する側面という2つの要素が含まれています。

 2つの要素のうち、前者の各自の考え方や生き方を尊重し、代弁し、実行するという視点は、日本国憲法でいえば、国民が永久の権利として享有する基本的人権(第11条)、個人の尊重・幸福追求権(第13条)、生存権・国の生存権保障義務(第25条)からきています。どのような状況の人であっても、人権尊重に値する制度や支援を積極的に自分の人生に活用していくことができるようにするための手段として成年後見制度を位置づけることができます。

 後者の弱者保護という視点は、例えば悪質な訪問販売事業者と契約して大金を失うことを防いだり、適切な介護サービスを受けるための手段として成年後見制度を位置づけることからきています。年齢が20歳を超えると、各自で責任を持って事業者との契約をすることになります。この単独で契約をすることができるための前提として、年齢要件のほかに意思能力(事理弁識能力(じりべんしきのうりょく))があることが必要です。意思能力が欠けている人の行為は無効になることが法律の大原則です。

 しかし、意思能力がないから契約が無効であることの証明は誰が行うのでしょうか。法律の規定では、物事を主張する側がその根拠を証明できなければその主張は認められません(立証責任)。未成年者であれば、年齢を証明することは簡単です。しかし意思能力が欠けていることを法的に説得力のあるように証明することは困難が伴います。ここに、消費者被害が多発する要因があります。

 したがって、問題が生じる前に、裁判所が特定の人に対してその人に意思能力が欠けていることを宣言し、その宣言があれば無条件で問題のある意思表示を取り消しすることができ、被害発生を防止する制度が必要になります(後見開始の審判、成年後見人による同意権、取消権の行使)。同時に、意思能力が欠けている人に代わって契約等をし、本人の権利を守ることも求められます(代理権の行使)。

 この同意権・取消権・代理権の行使によって、意思能力が欠けていたり、意思能力が不十分なことにより、十分な思考・判断・契約締結ができない人を支援して、本人の利益になるように身上監護・契約締結・財産管理をして、その人生を豊かなものにするための道具として積極的に活用していくのが成年後見制度です。それまでの禁治産・準禁治産という2つの枠組みが移行した「後見・保佐」に加えて、軽度の障害を持つ人を支援する「補助」制度を新設しています。


posted by 守屋行政書士事務所 at 14:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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