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守屋行政書士事務所HP

2005年04月10日

入院契約・個別の治療への同意と身上監護

 成年後見人の職務としての身上監護には、被後見人が入院を拒絶する意思表示をしない限り、被後見人に代わって(代理権の行使)、病院に入院する契約を締結することが含まれています。しかし、被後見人に対して、個別具体的な治療をするかしないか、手術の同意をするということを代理で決める権限は成年後見人には与えられていないというのが通説です。身上監護職務としての病院との診療及び入院契約には、成年被後見人に対する抽象的な治療を依頼することと、その対価を被後見人の財産から支払うことの約束に限定されています。

 病院では、手術をするときには患者やその家族の同意を求め、同意書にサインをさせることが慣行になっています。成年被後見人に家族がいないときには、後見人に同意することを求めています。法律効果としては、同意書自体に何の意味もありません。手術ミスがあれば、医療契約上の債務不履行または不法行為により、損害賠償請求をしているのが医療過誤事件です。

 治療をすることに際して、本人または家族等が同意することの法的な意味は、被後見人が強制的に治療されないことにあります。それでは、本人が意思表示をできない交通事故などで意識不明になった場合の救命治療はどのように解釈するかといえば、緊急事務管理(民法第698条)などのように、医療の実態を無理やり、強引に解釈しているともいえます。

 現実的にトラブル回避のために、成年後見人は、医師に対して治療への同意をする法的権限がないことを説明しつつも、親族・家族がいない場合には、サインをしなければ治療が進まないのであれば、同意書にサインをしているという後見人もいるようです。傍から見れば病院と後見人の間で責任の押し付け合いとも思われるかもしれません。


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posted by 守屋行政書士事務所 at 22:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 用語解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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