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守屋行政書士事務所HP

2005年02月24日

成年後見制度導入への理念的背景

 成年後見制度を導入することに関する1999年の法務省の説明では、自己決定の尊重残存能力の活用ノーマライゼーション等の新しい理念と従来の禁治産・準禁治産制度等の本人の保護の理念との調和を旨として,柔軟かつ弾力的な利用しやすい制度を構築すると書かれています。この考え方をご説明していきます。


 ノーマライゼーションとは、年齢とか心身の障害に関係なく普通(ノーマル)に生活できるように制度化していくことです。

 自己決定の尊重とは、保健医療・福祉サービスの提供が、従前の行政機関担当者が決定(行政処分)をするという○○措置ではなく、サービス提供事業者と要介護者イコール消費者との契約で行われるように転換したことに対応して(自己決定)、自分で決めることが十分にはできない人に対してその意思を尊重する制度を作ることを意味します。

 残存能力の活用とは、どのような人であれ、その人が現に有する能力を最大限発揮させて、自立した生活を支援していこうという考え方です。


 こうしてみると、超高齢化社会のもとでの予算削減を見込んだ政策ともいえますが、成年後見制度はあくまでも被後見人(本人)の考え方、生き方、立場等を代弁し、尊重し、実行する制度です。 「成年後見人は、成年被後見人の生活、療養看護および財産の管理に関する事務を行うにあたっては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態および生活の状況に配慮しなければならない」(民法858条)という規定もあります。生活を便利にするために、様々な機器やサービスが作り出されてきました。豊かな生活を過ごすことができるように、法制度としてバックアップするものととらえることができるでしょう。


 憲法には、国民が永久の権利として享有する基本的人権(11条)、個人の尊重・幸福追求権(13条)、生存権・国の生存権保障義務(25条)が明文化されています。成年後見制度の法的意義では、被害から守ることに注目しましたが、むしろ人権尊重に値する制度をどのような身体的状況の人々であっても利用・活用できることを積極的に実現する手段として成年後見制度を位置づけることが必要です。


 現時点で不自由ない場合でも将来を見越して、裁判所の決定(審判)とは別に、個別に後見契約を予約する任意後見契約を活用している方々もいらっしゃいます。


 ただし、残念ながら新自由主義、規制緩和、小さな政府志向からもたらさせる弊害と同様に、法的サービスといえども、享受するためには、ある程度の資産を保有しておく必要があります。公的な財源、予算配分に関しては、お寒い現状です。カネがなければ、人権も制限されるのでしょうか。 


posted by 守屋行政書士事務所 at 09:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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