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守屋行政書士事務所HP

2016年10月06日

成年後見人への働きかけ 成年後見人の変更 退院・退所 自己決定の支援 居所指定権

 成年後見人には、成年被後見人がどこに住むのかを決める法律上の権限はありません。しかし、契約を締結する代理権はありますので、介護施設等の入所契約を締結し、管理する成年被後見人の財産から施設等の利用代金を支払うことで、成年後見人は事実上、成年被後見人がどこに住むかを決めることができます。

 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律では、成年被後見人が求めていなくても、成年後見人の同意により、成年被後見人を精神科病院に入院させることが可能です。入院中には、退院してからの生活がうまくできるように、精神科病院や地域援助事業者に働きかけ、退院後の準備をすることも成年後見業務になります。

 成年後見人は後見する人の財布を預かっていますので、成年被後見人の意に反しても、少なくともろくに話を聴かなくても、面会もしないでもカネさえ支払い続ければ、介護施設や病院等のサービス提供事業者が成年被後見人を囲い込みをさせることに協力することができます。

 特定のサービスを継続する理由は、そのサービスを受ける必要性があり、サービスの実態に特に問題がなければ、サービス提供事業者を変更するのは面倒なのでそのまま継続しましょうという、成年被後見人を管理する側の論理を優先することにあります。自己決定権の尊重原則ではなく、成年後見業務を行う、事務所側の経営効率を優先する考えです。仕事の内容として、代金の支払いのみに終始している成年後見人も多いと伺います。

 ただし、サービス内容がよくても、消費者=成年被後見人の意思に合致しているか、身上に配慮しているかは別問題です。管理された生活は、慣れれば楽になりますが、自由を喪失する失望感も大きいでしょう。経営の効率性を優先する考えには反しますが、試行錯誤を繰り返しながらも、成年被後見人が自己決定権を行使できるように働きかけること、こちらの方が成年後見制度の本質であると考えます。

 そもそも、成年後見の仕事とは、何十年か生き、考え方も自分とは大きく異なる(と思われる)方々の生活を支援する仕事です。経営の効率性を優先することは相いれないのではないでしょうか。

 したがって、どうもこの後見人とは相いれない、カネの支払だけしかやらない、飽きたなどが目につくときは、成年後見人を変更することも選択できます。プロスポーツの監督の交代、芸能人のマネジメント業者の変更、不動産管理会社の変更、資産運用会社の変更などと同じ考えです。成年被後見人が自分の考えをうまく表現できないときは、家族や扶養義務者等も成年後見人を変更することを働きかけることができます。法律上の解任ではなく交代です。

 交代を求める前には、「〜のようにしてほしい。」「〜のようにしたい。」などの要求をすると思いますが、それが受けいられなければ、その原因を探るとともに、成年後見サービスの実施者を替えることも考えたらいかがでしょうか。

 誰かにずっと依頼するよりも、流動化が進展した方が、制度の普及、質の向上、透明性の確保、消費者としての権利の向上につながると思います。


 当行政書士事務所では、成年後見制度に関する諸問題、成年後見人・成年後見監督人としての活動、「〜してほしい。」などの通知文書の作成、各種のご相談を業としています。お問い合わせは電話090−3801−5933 電話受付9−23時です。
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2016年10月04日

賃貸借住宅・アパート・マンション 公営住宅での孤独死 相続人・連帯保証人調査 遺品整理 死後事務委任契約 処分契約書作成

 賃貸借のアパート、マンション、公営住宅等で入居者が死亡し、入居していた部屋を片付ける場合、相続人に対して、室内の物品の引き取り等の退去作業を要請するのですが、相続人が存在していても、「被相続人とはずっと連絡を取っていないから引き取りはしない。」などと対応することを断ることも珍しくありません。死亡した入居者が貧困生活をしていたときは、出費を嫌がる方々もいますので、次の入居者を募集することもできず、賃料を得られないままに放置されていることもあります。

 このようなことは、単身生活者と賃貸借契約を締結するときのリスクのひとつです。しかし、入居者が来なく、空き部屋のままにしておくことは賃貸アパートマンション経営での収支の悪化につながりますので、入居希望者を選別しすぎることもよろしくありません。

 貸主が打っておくべき手としては、@遺品や室内の片付けを貸主が担当する死後事務委任契約、遺品の処分契約を締結しておくことA相続人に対して、相続が発生したことと退去作業義務発生の通知B相続人が相続放棄をするならば、家庭裁判所で相続を放棄したことの確認作業などがあります。

 @は、貸主や管理者が遺品等を勝手に処分することはできませんので、親族等と連絡を取っていないような入居者とは、事前に処分権原を貸主・管理者に移しておくことのおすすめです。Aは、そもそも入居者の死亡を相続人が知らないことが予想されるために、入居者の死亡と室内の片付け・退去作業を求める連絡です。Bは、誰が遺品の片付け・退去作業をする権限があるのかを明確にするために必要なのですが、相続人が誰もいないときでも相続財産管理人を家庭裁判所で選任する必要が生じます。これは手間と経費が掛かります。

 入居者が自殺したときは、賃貸借契約での連帯保証人に損害賠償責任が生じることが多いです。契約書で記載している連帯保証人が死亡していれば、連帯保証人の相続人が保証債務を相続します。

 入居者の生前に、死亡時の手はずについて、入居者本人から話を伺い、対応策を準備しておくことが一番効果があると思われます。場合によっては、入居者に成年後見制度の利用を勧めることもあります。成年後見(保佐・補助)人に入居者死亡時の事務手続・退去作業などをやってもらいます。


 当行政書士事務所では、相続人や連帯保証人の調査、遺言執行、遺品の整理などの死後事務業務などの相続手続、契約書作成、連帯保証人への請求文書作成ほか、土地建物賃貸借契約上の様々な問題について対応しております。成年後見人として活動もしております。お問い合わせは電話090−3801−5933、電話受付は9−23時です。
posted by 守屋行政書士事務所 at 21:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする