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守屋行政書士事務所HP

2005年05月23日

日本成年後見法学会開催のお知らせ

 たまたま見つけた学会のお知らせです

日時 2005年5月28日(土)10時〜17時50分
場所 明治大学駿河台校舎リバティタワー 1021号室
統一テーマ 『成年後見の社会化(2)地域のネットワーク作り』
プログラム 午前 3名の会員による個別報告 
      午後 地域のネットワーク作りについて、3か所の事例報告 
         パネルディスカッション

 一般参加者の参加費2,000円です(入場者過多の場合には、参加できないことあり)。
       
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2005年05月22日

任意後見監督人選任申立て

 「アスラの日々」様から問い合わせがあったことへの回答記事になっています。任意後見契約に関する法律第4条に基づく任意後見監督人選任申立て手続の提出書類に関しては、アスラの日々様に書かれていることでOKです。「任意」の後見制度ですので、その内容は、当事者間の契約により自由に設定することができます。一般には、民法で定める「法定」後見(保佐・補助)の適用基準になる前に(なったとしても補助程度)、予防措置的に整備するものと解釈・運用されています。

 ご依頼者様に問題が生じる前に、トラブル発生を防止し、人権を確保できるようにあらかじめ想定した内容を契約書(公正証書)にまとめ、後見制度を具体的にスタートする時には、契約当事者間だけでは、不安なところもあるために監督する人をつけるのが任意後見制度と呼ばれています。

 より人権擁護措置を徹底しようとすれば、@事理弁識能力が不十分な段階に至る前の事務委任契約 →任意後見契約の発動 →死後の事務委任契約などのように、身寄りがない方や親族等がいてもいろいろと関係がよろしくない場合には、活用できることがあると思われます。一種の保険のような法律上のサービスです。
 
 契約することは、何事も費用がかかりますので、インターネットを活用している方々は、必要に応じて、有料・無料を問わず適当な業者を選択するという消費者としての行動で特に問題はないかと思われます。

 契約内容に関しては、詐欺や後々の偽造を防止するために、公証人による公証制度(公正証書)を利用しています。具体的には、任意後見受任者(事務委任者)との間で契約内容をまとめ、それを第三者の公証人にチェックしてもらうことを兼ねて、公に記録を残すようにしています。委任契約・任意後見契約書のご相談や解決プランのご提案も行政書士の仕事のひとつです。

 それから、任意後見契約をスタートするために、家庭裁判所に任意後見監督人選任申立てをする場合には、ご本人様の精神状況を把握するために、事前に医師に診断してもらい、その診断書を提出することになっています

 最後に、各種資格等の法定欠格事由に関して、成年被後見人や被保佐人と認定されると、一定の権利を行使できなくなることがあることは事実です。ただし、被補助人や任意後見制度が適用されている人は、権利制限・資格の欠格事由には該当しません。そもそも制度の運用上、被保佐人くらいになると、実態上、職務遂行もかなり厳しくなると考えられます。普段から会社等に勤めている方々はこのあたりは問題ないものと思われます。

 資格試験を受験する際には、国家試験であればその根拠となる法律に、民間試験であっても受験要項に必ず、試験を受けられない人の要件が記載してあります。それが参考になるでしょう。

 ご質問に対する回答は以上の通りです。ご不明な箇所があれば、またトラックバック等でお知らせください。より深刻な課題に関しては、直接お問い合わせください。ありがとうございました。
posted by 守屋行政書士事務所 at 11:56| Comment(3) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月21日

精神障害者への後見等開始申立てと利益相反行為

 成年後見制度の適用対象と考えられている人は、精神上の障害により事理弁識能力に支障がある人々です。事理弁識能力というのは、知的能力とか、物事を判断する能力や社会的に適応する力をひとつにまとめた用語です。よって、その人の置かれている環境(職業、法的に”障害者”として認定されているかいないか、入院しているのかいないのか)などを問わず、平等に検討されるべき人権擁護制度になります。

 アスラ様が引用した申立ての実情では、症状が回復する見込みがなく、日常的に必要な買い物が一人ではできないと表現されていますので、統合失調症で入院してもしていなくても成年後見制度の適用対象になります。法律上、その人をバックアップする必要性があります。

 ただし、成年後見人候補者の選定に関して、制度が適用される本人と後見人候補者の関係が法的な問題の解決に際して利益相反行為と考えられる場合には、その候補者は、成年後見人には選ばれない可能性があります。既に成年後見人に就任していた場合には、利益相反行為への対処に関してては、特別代理人を選ぶ必要が出てきます。

 アスラ様の事例では、申立人と統合失調症の方との関係、それから長男の甲山民男さん(もちろん仮定の人物だと思います)との関係が問われます。後見制度を使おうという動機が遺産分割ですので、申立人(あるいは民男さん)と統合失調症のご本人様がともに、亡くなったお兄様の相続人であるならば、双方の利害は対立することになります。

 実際に遺産の分割協議でもめるかもめないか、あるいは、相続した遺産の評価額に差があるかないかは別として、形式的に引っかかる事例です。よって、利害関係がない別の人物を後見人にするという家庭裁判所の審判があることも十分予測できます。

 ざっとこのような回答になります。ご不明な箇所は、またトラックバック等してください。より重大な問題は、直接お問い合わせください。

 それから、お願いです。『先生』という表記は見ず知らずの人物に気を遣っての表現だと思いますが、できればご遠慮ください。その理由は、

@『先生』と呼ばれるほど、大した実績も残していない。
A『先生』と呼ばれることは、当事務所の経営方針に反し、経営の道を見誤る可能性があります。知識や情報をお客様に買っていただく仕事です。営業担当者、アウトソーサーとして位置づけていますので。自戒の念です。

 以上、よろしくお願い致します。
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2005年05月18日

成年被後見人が選挙権を喪失する理由 国会答弁

 4月25日の衆議院決算行政監視委員会第二分科会において、公明党の福島豊衆議院議員の質問に対して、政府参考人の久保信保・総務省自治行政局選挙部長が答弁しています。

久保政府参考人の答弁「従前の禁治産者が成年被後見人の制度に変更されましたものの、その対象は一致をするということになっておりまして、また、現実の問題といたしまして、選挙時、投票時に事理を弁識する能力を有しておられるのかどうなのかということを審査、判断するということは実務上も極めて困難であるということから、従前の禁治産者と同様、選挙権及び被選挙権を有さないという扱いにされたと承知しております」


 現状の制度では、財産管理など、他人から資産を奪われないことを主たる目的とする場合には、投票する権利を残しておくためには、被保佐人という段階にしておくことが必要になります。保佐であっても広範囲に権利擁護に活用できます。

 国政選挙に際しては、施設等に入居している方々が、施設の職員に連れられて特定の候補者に投票していることがよく報道されています。よく考えれば、特定の利益集団に動員されて、特定の候補者に投票している方々も大して差がないと表現できるかもしれません。まあ、それは別としても、いざ権利を喪失するとなると普段意識しないことですが、どのような権利であったとしても深刻な思いにはなるでしょう。メリットとデメリットを比較検討しつつ、できる限りの最善の策を講じるようにしたいものです。
posted by 守屋行政書士事務所 at 13:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月16日

親亡き後の財産管理・身上監護

 お子さんに障害がある場合、親御さんはお子さんの将来をとても心配しているでしょう。お子さんの将来のための成年後見制度の活用方法のご説明です。

(1)事前に任意後見契約を結んでおく。
(2)法定後見(保佐・補助)を開始している場合で、親御さんが後見人(保佐人・補助人)である場合には、親御さんの死後に成年後見人等になるように依頼しておくか(死後の事務委任契約成年後見人等選任申立て手続・成年後見人等の欠員補充)、あるいは生前に別の人物(法人含む)に、成年後見人等に就任してもらう(成年後見人等の増員)手続をしておくことが考えられます。

 もっとも一般には、お子さんよりも成年後見人等に就任する人のほうが年齢も高く、お子さんよりも死亡する確率は高くなります。また、交通事故や大規模災害などに遭う可能性もあります。

 そのための予防措置として、行政書士その他の事業者であれば、成年後見等に取り組むための団体を作っていることが多いです(例えば、特定非営利活動法人神奈川成年後見サポートセンター:宣伝です)。その団体を成年後見監督人にするか、団体加入事業者であれば、その事業者が事業を継続できない場合には、団体内の他の事業者を代わりに担当させる手続をとるので、例えば親御さんの知人に後見人等を任せることよりは、空白期間なく後見人等を確保できるという視点からお勧めであるといえます。
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2005年05月15日

補助制度の続き 使えるものはどんどん使ってくださるとありがたいことです

 発達障害関連のブログを訪問して、記事を書いていたら、訪問してくださる方々が増えたようで、関心を持ってくださりありがとうございます。12日の記事の続きです。

 具体的な法制度として何を活用するかは別として、あるものはどんどん使っていきましょう。といってもこれまでは使いたくても使うものがなくて、憤りの日々を過ごしてきたともいえるかもしれません。

 法律ができると各地方自治体で予算措置が徐々にとられていきます。ことあるごとに要求をしていくと、それだけの仕事をする必要が出てくる →担当部署の権限増加・予算増加で担当者も喜んでくれるかもしれません。ちょいと疲れる行為でもありますが。成人の発達障害支援策がこれまでなかったことは行政の不作為ですので、国の責任です。

 民間事業者に対しては、宣伝や質問の回答を考慮して、その都度必要な時にサービスを購入するということでしょうか。法的な補助制度を使うといっても、前提条件として、該当しない人も多いかもしれません。補助を利用する想定は、金額が大きくなる財産の処分や契約に関して、単独でできるかもしれないけれども、できない可能性があるので、誰か代わってやって下さいという制度ですので、企業で労働している人は能力的には支障がないとも考えられるからです。発達障害がなくてもインチキ業者にだまされる人は多いでしょうから。

 そんなわけで、問題が生じたらその都度対応するか、事前にある程度予習しておくことが大切。これは、障害のあるなしに関係ないことですね。

 補助制度というのは、非常に限定した範囲を支援しようという制度です。事業者として請求する料金は、任意後見ですと定額で毎月○万円という形が多いかもしれません。補助ですと事前に取り決めたことが発生したら、その事務が終了後その金額をいくらにするかは家庭裁判所が決めるので、一般的には低額になる傾向があります。一種の保険として活用できるとも考えられます。

 いずれにしろインターネットを活用している方々は、予防措置ができているともいえます。知識を売るサービス提供業者としては、ひたすら継続して学習して情報提供していくだけです。
posted by 守屋行政書士事務所 at 08:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月13日

発達障害者支援に係る検討会議事録

 厚生労働省ウェブサイトから。4月1日からの発達障害者支援法施行の前に、1月中に開催された議事録が掲載されています。第1回目の会議議事録を読むと、法律の概要説明と発達障害というのはどのような状態なのかという発達障害の定義に関して、発言がなされています。

 第2回目の会議では、医療機関の育成に関して議論されています。まだ、具体的な診察事例が少ないので、事態を理解し把握している医師が少な過ぎることは、本人・家族の悩みのもとです。
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2005年05月12日

発達障害に補助制度の活用を

 読書の感想です。杉山登志郎編著『アスペルガー症候群と高機能自閉症 青年期の社会性のために』の感想です。他者とのコミュニケーション、感情の表現方法、他人の行動を真似すること、行動の意味などのトレーニングを幼少期から継続していくことで、発達障害はある程度克服できるようです。うまく話がかみ合わないことが暴力による制裁(いじめ、虐待)につながっていることですので、数少ないけれども必ず存在する発達障害者に予算を費やして丁寧に接し続けることが社会性の獲得→将来の自立につながることがこの書籍から理解できます。

 ところで、その職業や環境を問わず、誰かとかかわりたいとか、自分の能力を磨いて発揮したいと望んでいることは発達障害者でも変わりありません。日本国全体の将来予測ではありませんが、少子化や税収不足という他人事のような話だけではなく、各個人の人権を保障するためにも就労による独立生計の実現を支援していくことが必要になります。

 就職できないとか退職させられる方向に持っていかれるという要因は、コミュニケーションをうまく活用できないと判断させれてしまうことも大きいので、課題解決のために幼少期からの継続的な学習体験が望まれます。

 一般的には、子供の時だけでなく、年齢を重ねても学習は必要です。身近に発生する問題が定型的なことばかりでなく、初物の連続にもなります。よって、成年後見制度によってサポートするならば、補助制度の活用か任意後見制度が適していると思われます。

 補助とは、事前に定めたある特定の分野に関して、補助人に代理権を与えて、補助人に解決を全て任せるか、補助人の同意を得て、その行為をするという制度です。同意がなければ、被補助人・補助人双方からの取消権の行使が可能です。例えば、大きな金額である重要な財産の処分行為に補助制度を適用するようにしておけば、悪質な業者にだまされても被害回復措置を早急にとることが可能です。これにより、大人になってからの経済的・経営的なトレーニング効果を積み重ねることもできます。

 また、契約による任意後見制度を利用すると、補助制度では特定の行為を選択することになりますが、任意後見制度では比較的、包括的に支援対象を定めることも可能です。任意後見制度では任意後見人による契約代理権の行使は認められていますが、被後見人がした行為を取り消す権限は制度そのものからはありません。したがって、契約当事者間でよく相談しあう信頼関係の構築が大切なことになります。

 上記の補助並びに任意後見制度の活用に関しては、適用の前提条件が事理弁識能力が不十分であることですので、個々の状態により、継続的な支援サービスよりは、その時々に問題が発生した時の解決策のご提案という、通常、想定しているサービス提供で十分という方々も大勢いらっしゃると思います。
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2005年05月11日

発達障害関連ブログ

 コメントを頂いたアスラの日々から始まり、なにわみちのありまま日記Rain's Diary〜言の葉の泉〜アスペルガー症候群と診断されました妻から見たアスペルガー症候群の夫などを一通り見て歩き回りました。

 成人してからアスペルガー症候群と診断された場合の公的な支援制度がお寒い状況であること。就労=独立して生計をできるようにするための資金獲得には大きな苦労があること、と当たり前のような事実は目に付きます。
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2005年05月09日

一身専属権の行使と意思能力

 成年後見人・保佐人・補助人が本人に代わって権利を行使したり、本人の権利行使を同意することに、本人の一身に専属すること、例えば、結婚・離婚、養子縁組、遺言状の作成などは含まれません。しかし、成年被後見人・被保佐人・被補助人として認定されている本人の一身に専属する権利の行使は、意思表示されたことは事実だから、何でもOK、法的に有効と即座に判断されるわけではありません。トラブル防止のために、それぞれの行為は本当に本人の意思に基づいたものなのかを厳しく検証する必要があります。

 例えば結婚や養子縁組などの身分上の形成に関することならば、結婚や養子縁組をすることで、どのようなことが生じるのかを具体的に把握している必要があります。同居の義務、扶養の義務、財産の相続、そのほかにも結婚生活をすることや親子関係を形成することには、いろいろと困難なことがつきものです。それらを理解する意思能力、具体的には精神鑑定を検証することで、法的には身分形成行為の形式的な成立要件である届出書類の記載に不備がなかったとしても、無効とされた裁判事例があります。

 また、意思能力だけでなく、具体的な生活の実態も当然ながら必要です。

 遺言することに関しては、遺言の程度により求められる意思能力が異なります。口頭で、1つないし2つ言い残す場合と、法律上の形式要件をクリアした遺言状を作成することとはまったくの別物になります。また、その遺言により具体的にどのようなことが生じるのかを本人自身がどの程度理解しているのかを調べる必要も出てきます。
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2005年05月08日

クーリングオフと契約取消権の相違

 クーリングオフとは、消費者に提供される商品やサービスを扱う法律ごとに個別に定められている規定で、熟慮することなく事業者に不意打ちを食らわされた状態で契約をした場合に、その契約を消費者からの一方的な通告により解除できる制度です。

 クーリングオフできる期間は、商取引の形態や法律により異なります。短期間であることには変わりありません。しかし、商品の返還やリフォーム工事等がなされた場合に元に戻す措置(原状回復措置)に必要な費用は、事業者が負担するとも法律で定められていることが多いです。

 一方、契約取消権とは、民法に定められている制限能力者の保護制度です。取消しできる期間は、追認をできるようになってから5年、そのもとの行為がなされた時から20年と長期に設定しています(民法第126条)。

 しかし、契約当事者は互いに原状回復措置をとらなければなりません。成年被後見人に対しても同様で、商品の返還にはその運賃が必要です。リフォーム工事では業者側に原状回復のための費用負担義務が法律で定められていないために、住宅を破壊されたまま放置されることになります。

 取消権の行使のほうが不利益を被るといえます。対策としては、クーリングオフを行使する大前提として、法律の厳しい規制を全てクリアした状態で初めて、その商取引が正当なものとして扱われ、クーリングオフが行使されるということになります。したがって、事理弁識能力に支障がある人を食い物にするような事業者は、そのずさんな契約方法から法の規制をクリアしていないと考えられる事例が多く、契約後期間がいくら経過してもクーリングオフできると法律の解釈ができ、裁判でもそのように判断されています。そこを突いていけば、消費者に不利益な結果を最小限に、被害を救済できるものと考えられます。
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2005年05月07日

事業者の選別方法

 成年後見制度に関連した高齢者、発達障害者その他の消費者被害救済対策の記事です。以前に別のブログで書いた事業者の選別方法の記事です。
 
 トラブルを抱え、法的に問題解決を希望する場合、どこに相談すればよいかを迷われることも多いかと思います。考えられれる相談相手はいろいろあります。大きく区分するとインターネットや書籍での情報収集、原則無料の役所などの公的機関、行政書士などの原則有料の民間企業の3つになるかと思われます。このブログを執筆している守屋行政書士事務所も有料サービスを展開している一企業ですが、お客様の立場から考えた場合、どのサービスを選択すればよいのかを考えてみたいと思います。

 お客様が抱えているトラブルがさほど大きくない場合、被害金額が多額でなく、比較的簡単に解決できそうな場合、将来の問題発生を防止するための事前学習などの場合には、インターネットや書籍などを活用した情報収集が手軽にできる手段となるでしょう。業界を問わず、ある特定の分野で専門に生計を立てている方々、つまり就職している方々はすべて当てはまると思いますが、実際に行動に移る前の事前学習や実体験を理論化するときに活用していると思われます。法律関連職に就いている者も同様で、理論的背景を独自に開発したという業者はほとんどいないでしょう。諸先輩方の業績を活用させていただいております。


 ところが、情報収集をすることとそれに基づいて行動し、成果を出すことができるのかということとはまったくの別問題です。医療の書籍を読むことはできても自分で治療をできる人はほとんどいないでしょう。住宅建設を独自にできる人もほとんどいないでしょう。満足できる結果を残すためには、どうしても職業としての経験と訓練が必要になります。また、情報収集をしようとしても、書かれている内容を100%理解できるかはわかりません。やはり、職業としての経験と訓練が必要になることが多いかもしれません。

 
 また、情報収集先に記載されている内容が正確かどうかということの保証も100%はありません。複数の根拠を取得する必要があります。例えば、国民生活センター作成の相談事例をたまたま見つけたのですが、このサイトに書かれているクーリングオフの考え方は間違いです。特定商取引法では契約に際して業者から消費者に交付すべき書面が定めれており、この書面に記載すべき項目が法律の要件に達していない場合には、クーリングオフできる期間の計算が始まらないことになっています(特定商取引法4条、5条、9条参照)。したがって、このサイトに書かれているような状況では、工事完了後であってもクーリングオフ(無条件の契約解除、無償での原状回復措置、支払った代金の全額返還)が認められることになります。


 簡単なアドバイスを求めるためには、公的機関などの無料サービスを利用するのがよろしいでしょう。有料業者の無料サービスというのは、ほとんどが最初の1回だけが無料で、2回目以降の相談は有料になると思われます。これに対して、公的機関は、金銭的な収入源を相談者以外のところから得ていますので、有料サービスで収益を稼ぐことが原則として必要ないからです。

 
 情報収集 →疑問点を公的機関で質問 →わからなかったところを再質問 →補足するための情報収集 →疑問点を質問しに行く。このサイクルで、疑問点をつぶしていき、解決策を見出していきます。


 お役所など公的機関を活用するメリットは、原則として相談することに金銭的に費用がかからないことです。法律の解説・運用の説明もしてくれると思います。逆にデメリットとしては、個々のお客様が抱えている事情を役所が独自に調査してくれることはないかと思われます。あくまでも相談者がすべて資料を用意して、質問項目もすべて相談者が考え、それに対して答えるという形になるでしょう。また、相談者に代わって、問題解決行動をしてくれることもかなり少なくなると思われます。公的機関の管轄にもよりますが、法令に基づいた権限(慣習)に基いた行動の範囲です。民間企業と異なり、融通がききにくい職場でもあります。


 それでは、有料サービスのメリットとはなんでしょうか。お金だけ取って、効果がなければ誰も相手にはしてくれませんので、競争力を発揮しなければ生き残れません。まずは、事件の全体像を明確にする必要があります。お客様からお話を伺うことから始まり、要件事実の視点から、お客様が抱える問題を法的な枠組みから整理し、争点を明らかにします。


 次に膨大な資料の中から、抽出した争点に関して、お客様にとって有利に解決できるような先例を収集し、理論的な基礎を固めます。理論に基づき、具体的な証拠を集め、事実関係の裏づけをとります。そして相手側に対して、法的に根拠がある(立証力がある)請求をすると同時に、相手側からの反証にも対応できるように事前に予防措置をとります。


 難しいトラブルに対しては、このような方針に基づいた行動をして、初めて効果的に解決ができます。時間もある程度かかります。したがって、問題解決サービスという専門家による事業化につながるかと思われます。より迅速に、法律的に正当性のある根拠を獲得するために、すなわち精神的な安心を獲得するためには、やはり専門家のサービスを活用するほうが費用対効果は大きいかと思われます。


 注意すべきことは、有料業者といってもその質はさまざまです。どのような業界でも怪しい業者は存在します。重要な問題に対して、法律による問題解決を追究する場合には、医療サービスを受けるときと同様に、セカンドオピニオンは必要です。守屋行政書士事務所では、お客様に対してベストのプランをご提供できるように努めてまいります。
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2005年05月06日

どうやって契約解除する理由を見つけるのか?

 前日の記事のように、高齢者をターゲットにした悪質な商売を展開している訪問販売事業者への対策の伝授です。そもそも消費者被害救済を事業目的にしている方々、例えば国民生活センターとか、全国各地の消費生活センター、行政書士事務所、弁護士事務所その他の団体は、どうやって、その仕事をしているのでしょうかという解説です。

 答えは簡単です。
@被害を受けた商品やサービスを確認します。
Aその商品やサービスを管轄する法律を探します。
B探し当てた法律の中には、どのようなこと(販売方法、消費者への告知をしないことその他)をすると法律違反になり、事業者を監督する行政機関の指導・罰則や刑事罰の対象になるかが書かれています。
Cお客様に対して、事業者が具体的にどのようなことをしたのか。商品やサービスの売り込み方法、発言内容、お客様に渡した書類などを確認します。
DCで聴取した内容が、Bの法規定に該当するかを照らし合わせます。
E過去の先例(特に裁判事例)を調べ、同じような状況があるかどうか、そしてそれに対する裁判所の解釈・判断を確認します。
Fお客様の事例に対する法的な解釈の答えが出てきます。
G契約解除、損害賠償請求等の意思表示、具体的行動。行政機関や警察署への通報により、民事・刑事・行政処分による被害者の救済活動に着手します。

 ざっとこのようなやり方です。具体的にどのような法律を適用すればよいのか。過去の先例の調査とその解釈。事例は個々のお客様により異なりますので、お客様の事例に法の規定をどのように当てはめていくのかということを調査し、解釈すること。そして具体的な被害救済活動に関して、専門家のサービスを活用する意義が出てきます。
posted by 守屋行政書士事務所 at 07:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 用語解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月05日

消費者被害防止にも成年後見制度を活用してください

 別ブログと同じ内容ですが、成年後見制度に関連する記事です。5日のYahoo!ニュース(毎日新聞)から引用。埼玉県の高齢者姉妹がインチキ住宅リフォーム会社にだまされて工事契約し、全財産を奪われたという記事です。非常に憤る事態です。

 姉妹は認知症と診断され、どのような事態が生じているのかは理解していない様子と報じられています。同一業者が社名を変えて何度も契約していたり、顧客名簿をインチキ業者間で売買してターゲットを選出しているらしいと記事に掲載されています。広告チラシの裏に領収証が書かれているともあるので、姉妹が話を理解していないことを承知でカネを引き出させたと推測できます。

 住宅リフォームは特定商取引法の規制対象サービス(指定役務)であり、民法等の一般法も含めて被害救済の請求根拠法になりますが、こういうインチキ業者は商号を次々に変えて乗り込んできますので、いったんカネを支払ってしまうと完全に取り戻すことは非常に難しいと思われます。家族・親族、近隣住民、市区町村長の働きかけで、人権(お金は立派な財産権です)を擁護することが求められ、そのための法制度として成年後見制度があるのですが、なかなか普及していないのも現実です。

 成年後見制度とは、認知症の本人に代わって契約を締結することや、本人が契約した内容を取り消すことができるという法制度です。取り消すということは、いったんは契約が成立することですので、カネを支払ってしまうと取り戻すためには労力がかかることには変わりありませんが、何もないよりははるかに役に立ちます。被害発生の事前予防には、消費者被害防止や成年後見制度の活用を事業対象にしている行政書士業界の責任もあります。

 インチキ訪問販売事業者への対策です。万が一、契約書にサインをしてはんこを押したからといって、その契約が絶対的に有効になるとは限りません。つまり、カネさえ支払わなければ問題ありません。契約解除はできるということです。契約を解除する理由はいくらでも見つけられます。それから、事業者が未払いのカネを払えといって押しかけてきても相手にする必要はありません。「文句があるなら裁判所を通じて請求して来い」で十分です。

 代金を支払ってしまうと、返還請求することの手間がかかりますので面倒といえば面倒なことになります。ご不明なところは迷わずあきらめずにお問い合わせください
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2005年05月04日

制限能力者の詐術(さじゅつ)

 契約取消権の行使に関連して、成年被後見人・被保佐人・被補助人等の制限能力者が相手側をだまして(詐術)、能力者であると信じさせた場合には、制限能力者や成年後見人・保佐人・保佐人は、その契約を取り消すことができません(民法第20条)。

 制限能力者が自分が成年被後見人等であることを契約を求めた相手側に伝えなかったことだけでは、詐術に該当しません。相手側をだます意図があることが詐術かそうでないかの判断基準になります。よって、話の内容だけでは、制限能力者であると判断できない場合でも、詐術と認定されるケースは例外的であり、契約を取り消すことができる事例がほとんどであるといえます。契約書面に署名・押印等してあったことは、直接には、能力者であることを詐称したことにはつながりません。署名・押印等までの過程が厳しく問われます。
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2005年05月03日

成年被後見人と契約をした側からの催告権

 成年被後見人(被保佐人・被補助人)等の制限能力者と契約をした相手側は、契約の取消権を行使されることに対応して、契約を取り消すのかどうかを返答しろと確認することができます。この確認行為を法律用語では、催告(さいこく)といいます(民法第19条)。

 確認方法は、1ヶ月以上、期限を設定して期限内に回答しろと伝えます。この期間内に成年後見人、保佐人、補助人が契約を取り消しするかしないかを事業者側に伝えます。伝えなかった場合には、追認したとみなされます(同条2項)。

 成年後見監督人がいる場合には、後見人が意思表示する際に、後見監督人の同意を得なければならない場合があります(民法第864条)。この場合、成年後見人から催告をした契約の相手側に、取り消しするか否かの連絡がいかないときにはその契約は取り消ししたとみなされます(同条3項)。
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2005年05月02日

契約締結に関する国会質問書

 民主党・無所属倶楽部の泉 房穂衆議院議員の国会質問書に対する政府の回答書が衆議院のウェブサイトに掲載されていましたので、ここで取り上げます。4月12日付の回答です。

質問
高齢者及び障害者の自己決定の支援に関する質問主意書

 施設入所をはじめ、介護サービスの利用は、その利用者にとり人生の大きな決断である。認知症高齢者及び知的障害者の数は全国で二百万人といわれており、こうした方々は、その判断力の衰えから、この大きな人生の決断に支援を必要としている。
 介護保険制度及び障害者支援費制度の基本理念は、ともに「自立支援」と「尊厳の保持」とされている。しかしながら、サービスがこうした理念に基づいて提供されていても、サービスを利用するかどうか決定することへの支援がない。ひとりで判断することのできない高齢者や障害者は、意思決定できずサービスを利用できなかったり、自分の意思に沿わない他者の意見に従うことを余儀なくされたりしており、こうした方々には「自立支援」や「尊厳の保持」が保障されているとはいえない。
 我々日本国民は、憲法第十三条で、「幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」ことを約束した。高齢者及び障害者が自らの人生を自ら決めるという権利、いわゆる「自己決定権」は、こうした「幸福追求に対する国民の権利」の一つであることは明らかである。今国会に提出されている介護保険法等の一部を改正する法律案及び障害者自立支援法案において、こうした高齢者及び障害者の「自己決定権」への支援がどのように図られているか質疑する前提として、現行の契約制度について整理するため、政府に対し以下質問する。

(1)意思無能力者は追認をすることができるか。いわゆる「黙示の追認」についてはどうか。

(2)意思無能力者に係る権利関係について、第三者が無権代理行為を行った場合、意思無能力者がこれを追認することはできるか。いわゆる「黙示の追認」についてはどうか。

(3)意思無能力の知的障害者甲の親族乙が、甲を代理する権限がないにもかかわらず、甲に代わって甲の名義で知的障害者更生施設丙と施設サービス契約を締結した場合に、この甲丙間の契約は民法上有効か。

(4)前問の甲丙間の契約について、当該契約時より現在まで継続して甲が意思無能力の状態であった場合に、甲が当該施設サービスを利用し続けることにより、いわゆる「黙示の追認」をすることができるか。

(5)問(3)の甲丙間の契約は、甲と丙との間の契約としては、成年後見制度等により甲の代理人を選任し、当該代理人が甲丙間の契約を追認した場合にのみ民法上有効となると考えるが、見解如何。

(6)サービス提供者とサービス受給者との間の契約を前提とする介護保険制度及び障害者支援費制度において、この契約が存在しないにもかかわらず提供されたサービスに対しては、保険給付や公費支出を行う法的根拠はないと考えるが、見解如何。

右質問する。


次に政府の回答です。
衆議院議員泉房穂君提出高齢者及び障害者の自己決定の支援に関する質問に対する答弁書

(1)及び(2)について
 意思無能力者は、有効に法律行為を行うことができないと解されるので、意思無能力の状態が継続している間においては、明示の追認であると黙示の追認であるとを問わず、無効な行為の追認(民法(明治二十九年法律第八十九号)第百十九条ただし書)及び無権代理行為の追認(同法第百十三条第一項)をすることができないと考えられる。

(3)について
 お尋ねの事案において、甲を代理する権限がない乙が甲に代わって丙との間で締結した契約は、甲の有効な追認がない限り、甲丙間の契約として有効とはならない。

(4)について
 甲が継続して意思無能力の状態にある場合には、甲は、乙の行為について黙示の追認をすることができないと解される。

(5)について
 甲が継続して意思無能力の状態にある場合には、甲の権限ある代理人が乙の行為について追認したときに限り、甲丙間の契約として有効となると考えられる。

(6)について
 お尋ねの介護保険制度における保険給付の法的根拠については、介護保険法(平成九年法律第百二十三号)において、居宅介護サービス費、居宅介護サービス計画費若しくは施設介護サービス費又は居宅支援サービス費若しくは居宅支援サービス計画費は、要介護認定又は要支援認定を受けた被保険者が、都道府県知事が指定する者から当該指定に係る事業を行う事業所により行われる居宅サービス若しくは居宅介護支援を受けた場合又は介護保険施設から同法第四十八条第一項に規定する指定施設サービス等を受けた場合に、これらのサービスの種類に応じて市町村が必要と認めるときに限り支給することとされている。
 また、障害者支援費制度における「公費支出」の法的根拠については、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)、身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)又は知的障害者福祉法(昭和三十五年法律第三十七号)において、居宅生活支援費又は施設訓練等支援費は、支給決定を受けた障害者等が、都道府県知事が指定する者から当該指定に係る居宅支援又は施設支援を受けた場合に、市町村が支給することとされている。


解説します。
@意思無能力者=成年被後見人は、そもそも意思表示できる状態ではないので、施設等に入所したり、介護サービスを受けていてもその行為を法的に認めているわけではない。契約が成立していないままに、サービス等を受給していることになります。
A成年被後見人の契約は、あくまでも契約代理人である成年後見人が契約当事者になった場合にだけ、有効に成立する。
Bサービスの提供事業者と消費者としての受給者間の契約で決まる介護事業や障害者支援事業に対する公費負担は、その契約に基づくサービスが提供された場合に、公の財政負担がなされることになります。

 ということは、契約の当事者が意思表示できないことから、法的には契約成立せず、しかし事実上サービスを受けているから公費負担はされるということになります。現状を政府が追認するということの再確認です。入院・入所契約に関して、そして治療等の同意権・決定権に関しては、成年後見人が契約代理人として権利行使できないのが現行法の規定であり、解釈です。しかし、それでは、先に進まないので、事実上、どうぞやってくださいというのが現状の扱いです。
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2005年05月01日

取消しできる行為の追認

 契約取消権を行使するといっても、いつまでも取り消しできるとなると迷惑といえば迷惑なことになります。成年被後見人など制限能力者相手の契約の当事者は法的に不安定な状況におかれます。取消しできる法律行為を取り消しの意思表示ではなく、有効であると確定する意思表示が追認(ついにん)と呼びます。
 
@追認できる人
 成年後見人です。成年被後見人などの制限能力者が追認する場合には、Bを参照してください。(民法第120条、122条)。

A追認の方法
 相手方に対する意思表示です。

B追認する時期
 追認することは、取消権を放棄することを意味します。よって、成年後見人等の法定代理人はいつでも追認できます。成年被後見人(被保佐人・被補助人)は、能力者となって、法律行為の意思表示の意味を理解できるようになってから初めて追認することができるようになります(民法第124条2項)。

C追認の効果
 法律行為を取り消す余地がなくなり、有効性が確定します。
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