事務所のご案内  ご相談料金のご案内  お問い合わせはこちらから

守屋行政書士事務所HP

2005年03月28日

グループホームの消費者問題

 国民生活センターの記事から引用。独立行政法人国民生活センターが全国のグループホームの運営状況をアンケート調査した結果を掲載しています。グループホームとは、比較的軽・中度の認知症高齢者、知的障害者、精神障害者が共同生活しているところです。運営主体は、医療法人、社会福祉法人、特定非営利活動法人(NPO法人)のほか、株式会社・有限会社の事業会社も経営に進出しています。報告書の概要はこちら(PDF)

 成年後見ブログですので、入居者に対してどのくらい成年後見制度が活用されているのかを見てみると、認知症高齢者では、19.5%、知的障害者では、5.7%、精神障害者では、3.5%という状況です。ということは、入居者が生活の諸問題を理解できる状況にあるのかといえば、そうではないと考えられます。

 また、グループホームの入居契約、運営状況の評価、入居に際する保証金の返還など、消費者契約として、多くの問題を抱えているのが、グループホームの現状であると報告されています。入退去に関する契約締結のサポートだけではなく、ホームでの日常生活の諸問題の解決には、専門家サービスの活用を検討する機会だと思われます。
posted by 守屋行政書士事務所 at 07:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月17日

登記事項証明書請求方法

 登記事項証明書登記されていないことの証明書)の入手方法の説明です。
 
(1)法務局窓口で交付請求 
@管轄法務局一覧。東京法務局か各地方法務局の本局の戸籍担当窓口で請求します。例えば、神奈川県在住の人だったら、横浜地方法務局本局では請求できますが、小田原支局では扱っていません。

A料金(登記印紙で納付
 登記事項証明書 →1通1,000円(1通が10枚を超過する場合には、5枚を超えるごとに200円加算されます)。
 登記されていないことの証明書 →1通500円。

B添付書類
 戸籍謄抄本 →配偶者・4親等内の親族・未成年後見人・未成年後見監督人による請求の場合。
 委任状 →代理人請求の場合。本人及び代理人の印鑑登録証明書は不要です。
 法人の代表者の資格を証明する書面商業登記簿謄本など)→成年後見人・保佐人・補助人・成年後見監督人・保佐監督人・補助監督人・任意後見受任者・任意後見人・任意後見監督人が法人の場合に必要。


(2)郵送による交付請求
@請求先
 〒102-8226
東京都千代田区九段南1−1−15 九段第2合同庁舎(4階)
東京法務局民事行政部後見登録課
Tel 03-5213-1234(代表),03-5213-1360(ダイヤルイン)

A申請書ダウンロード
 登記事項証明書の申請書
 登記されていないことの証明書

B料金
 窓口請求と同じ。返信用封筒(長3サイズ 23×12cm)に宛名と返信用切手を貼り付けたものを同封する。

C添付書類
 窓口請求と同じ。

(3)オンライン申請
@申請手続の準備
 法務省ホームページ上の法務省オンライン申請システムで、ユーザ登録をして、申請者ID及びパスワードを取得します。これを用いて法務省オンライン申請システムにログインし、申請に必要な様式を取得します。インターネットによるオンライン申請をするためには、本人の(代理人申請をする場合には、本人と代理人の)電子証明書が必要です。電子証明書は、印鑑登録証明書の役割をします。

 公的機関と民間会社がそれぞれ電子証明書を発行しています。登記事項証明書(登記されていないことの証明書)の請求手続に必要な電子証明書は、「商業登記に基礎を置く電子認証制度」を運営する電子認証登記所かまたは「AccreditedSignパブリックサービス2」を提供する日本認証サービス株式会社の電子証明書になっています。

 住民基本台帳カードにICチップを埋め込んだ公的個人認証サービス用の電子証明書では、本人申請の場合だけ使うことが出来ます。代理人申請では使用できません。

 証明書の交付請求をオンラインにより行う場合には、電子データにより交付される電子的な証明書を求める方法と、従来どおりの紙の証明書の交付を求める方法(送付を求める場合に限ります)とがあります。請求方法は,法務省オンライン申請システムから、必要な様式を取得した後、必要な事項を入力し、電子署名を行い、当該電子署名を行った者を確認することのできる電子証明書と併せて法務省オンライン申請システムに送信することにより行います。

A料金
 登記事項証明書
 電子的な証明書 1通につき700円
 紙の証明書   1通につき750円(普通郵便により送付を求める場合)

 紙の証明書を速達・簡易書留・書留の取扱いによる送付を求める場合には、750円(2通以上の送付を求める場合にあってはその合計額)に速達・簡易書留・書留に要する料金をそれぞれ加算した額。なお、1通の枚数が10枚を超えるものについては、その超える枚数5枚ごとに200円が加算されます)。
  
 登記されていないことの証明書
 電子的な証明書 1通につき400円
 紙の証明書   1通につき450円(普通郵便により送付を求める場合)
 
 紙の証明書を速達・簡易書留・書留の取扱いによる送付を求める場合には、450円(2通以上の送付を求める場合にあってはその合計額)に速達・簡易書留・書留に要する料金をそれぞれ加算した額)。

B料金支払い方法
 インターネットバンキング等で電子決済します。
posted by 守屋行政書士事務所 at 12:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月16日

登記事項証明書の請求権者

 ある人に関して成年後見・保佐・補助・任意後見に関する登記がされている、あるいは登記されていないことの証明書(登記事項証明書)を交付請求できる人は、本人のプライバシー保護のために法律により限定されています(後見登記等に関する法律第10条)。

@本人
A成年後見人、保佐人、補助人
B成年後見監督人、保佐監督人、補助監督人
C未成年後見人、未成年後見監督人
D任意後見受任者、任意後見人、任意後見監督人
E配偶者、4親等内の親族
F国または地方公共団体の職員で職務上必要とする者
G相続人その他の承継人(本人の死亡により後見・保佐・補助・任意後見契約が終了したことを登記した閉鎖登記事項証明書の交付を請求できる)

 上記の請求権者であるか、請求権者の代理人でない者は登記事項証明書を交付請求できません。本人の債権者や本人と商取引をする者が証明書を交付請求することはできません。必要な場合には、請求権者から証明書の提出を受けることになります。
posted by 守屋行政書士事務所 at 13:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月15日

登記事項証明書とは

 成年後見等の申立てをする場合の提出書類の説明です。

 成年後見制度が導入する以前の制限能力者保護制度としての禁治産・準禁治産制度(戸籍への記録)と異なり、家庭裁判所の審判により、成年被後見人被保佐人被補助人と認定され、または任意後見契約が締結されると、その記録が登記されます。

 管轄法務局やインターネットを通じて誰でも閲覧可能な不動産登記制度や商業登記制度と異なり、成年後見制度に関しては、ある人が被後見人等であるかに関しては、不特定多数の人が登記事項を閲覧することはできません。必要なときに限定された請求権者が登記事項を記載した書類取得請求することになります(登記事項証明書の交付請求)。または、成年後見等の登記がなされていないことの証明書を交付請求します。
posted by 守屋行政書士事務所 at 12:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 用語解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月14日

身分証明書とは

 成年後見等の申立てをする場合に、家庭裁判所に提出する書類の説明です。成年後見人(保佐人、補助人、任意後見監督人)候補者に関する身分証明書を提出することになっています。

 身分証明書の発行は、市区町村長が行政実務として行っているものです。破産者であれば、成年後見人・保佐人・補助人・任意後見監督人の欠格事由に該当します(民法第847条、876条の2、876条の8、任意後見契約に関する法律第7条)。よって、裁判所から市区町村への通知に基いて作成している破産者名簿に該当ないことを証明するために、市区町村長発行の身分証明書を成年後見等申立書に添付します。
posted by 守屋行政書士事務所 at 12:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 用語解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月12日

成年後見等申立て提出書類と申立て費用

 成年後見、保佐、補助、任意後見監督人選任の申立てを家庭裁判所にする場合の提出書類一覧です。

(1)申立て書類(印鑑持参)
@後見(保佐、補助)開始申立書、任意後見の場合は、任意後見監督人選任申立書
A申立事情説明書
B本人の財産目録および(不動産登記簿謄本、預金通帳の写し等)財産の資料
C本人の収支状況報告書および(領収書の写し等)その資料
D成年後見人等候補者事情説明書、任意後見受任者事情説明書、任意後見監督人事情説明書
E親族一覧表
F親族関係図

(2)本人に関する書類
@戸籍謄本(発行後3ヶ月以内)
A住民票の写し(世帯全員分、記載事項に省略がないもの、発行後3ヶ月以内)
B登記事項証明書(後見等登記されていないことの証明書)
C診断書

(3)成年後見人(保佐人、補助人、任意後見監督人)候補者に関する書類
@戸籍謄本(発行後3ヶ月以内)
A住民票の写し(世帯全員分、記載事項に省略がないもの、発行後3ヶ月以内)
B身分証明書
C登記事項証明書(後見等登記されていないことの証明書)

(4)申立て人に関する書類(成年後見人等候補者と同一人物の場合は提出不要)
@戸籍謄本(発行後3ヶ月以内)
A住民票の写し(世帯全員分、記載事項に省略がないもの、発行後3ヶ月以内)

(5)申立て費用
@収入印紙 800円
A登記印紙 4000円(任意後見の場合は、2000円)
B郵便切手 4300円(任意後見の場合は、2980円)
切手の内訳 500円×5枚
       80円×20枚
       10円×20枚

**任意後見の場合は、500円×4枚
            80円×10枚
            20円×4枚
            10円×10枚
C現金10万円(鑑定費用、補助開始申立と任意後見監督人選任申立の場合は申立て時には不要)

(6)任意後見監督人選任申立て
@任意後見契約書(公正証書)の写し
A任意後見登記事項証明書 
posted by 守屋行政書士事務所 at 09:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月11日

成年後見制度利用支援事業

 成年後見制度利用支援事業とは、市区町村長が行う成年後見等のサポート事業です。申立て費用と後見等が開始した後の成年後見人等への報酬支払を助成しています。具体的なメニューは市区町村ごとに異なり、資産がない人でも安心して誰でも人権を尊重されるようには至っていないようです。財源配分のための強い働きかけが必要です。
posted by 守屋行政書士事務所 at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月10日

福祉施設入所者に対する市区町村長の成年後見等申立て

 市区町村長による成年後見等の申立て手続きの関連事項の説明です。申立て(申込)をする家庭裁判所は、本人の住民登録地を管轄する家庭裁判所になることが基本的取扱です。ただし、市区町村長に申立て権限があるといっても、どこの市区町村長が申立てするのかの管轄は法令上指定がありません


 特別養護老人ホーム等の福祉施設への入所者に対して、市区町村長が成年後見等開始の審判の申立てをする場合には、東京都は、施設所在地を管轄する家庭裁判所に申立てが集中しないように申立て先の基準を作成しています(東京都福祉局編『成年後見制度及び福祉サービス利用援助事業の利用の手引き(改訂版)』東京都社会福祉協議会 2002年5月 49ページ)。
 

 申立ての管轄に関する東京都作成の基準は次のとおりです。

@市区町村の措置による入居者(2000年3月31日までの措置入所者で、同年4月1日以降契約関係に移行したものを含む) →当該施設へ入所措置をした市区町村長
A介護保険制度による契約入所者 →本人が加入する保険者である市区町村長
B生活保護の受給者 →生活保護を適用している市区町村長。生活保護を実施しているのが都知事の場合には、@またはAの基準による。
C@〜Bに該当しない場合には、本人の現在の生活の本拠(施設所在地)の市区町村長。 
posted by 守屋行政書士事務所 at 13:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月09日

支援費

 介護保険制度導入に際して、保健医療・福祉サービスの提供は、従前の行政機関担当者が決定(行政処分)をするという○○措置ではなく、サービス提供事業者と要介護者イコール消費者との契約で行われるように転換したことで、契約行為のサポートをする意義が成年後見制度にはあるという記事を書きました。身体障害と知的障害を抱える人々には、2003年4月から支援費制度が始まっています。

 支援費制度とは、障害を抱える人たちもそれまでの行政機関による○○措置(行政処分)ではなく、サービス提供事業者との契約によって購入するサービスを決め、一部負担金を支払い、行政機関がサービス購入代金の残額を事業者に支払う制度です。事理弁識能力が問われる知的障害を抱える方々には、ここでも契約サポートのために、成年後見制度(保佐・補助含む)の活用が大前提になっています。

 
 厚生労働省の支援費制度Q&A

 介護保険制度と支援費制度の比較

 しかし、財政破綻から介護保険制度と支援費制度を統合し、20歳以上のすべての人を被保険者として広く浅く保険料を負担してもらうように制度変更することを厚生労働省は考え、現在検討がなされています。
posted by 守屋行政書士事務所 at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 用語解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月08日

代理権とは何か

 被保佐人・被補助人の事前同意があれば、本人に代わって法律行為をすることができる権利(代理権)を保佐人・補助人に与える審判を家庭裁判所ですることができます。ただし、婚姻や遺言状の作成のような身分上の行為や、病院での治療方針の決定のような他人による代理権の行使が認められない行為は、代理権付与審判の対象にはなりません。また、保佐人・補助人に代理権が付与されても、本人が保佐人・補助人の同意を得て自らが契約締結できることには変わりありません
posted by 守屋行政書士事務所 at 10:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 用語解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

同意権とは何か

 審判を経て被保佐人・被補助人と認定された場合には、被保佐人と被補助人の行為は、本人をサポートする保佐人・補助人の同意を得る必要があります。被保佐人に関しては、民法第12条で定められた行為、被補助人に関しては、審判の過程で同意を得ることが必要と判断された行為がそれぞれ保佐人・補助人の同意を得る必要がある行為になります。

 同意を得ないとどうなるかといえば、保佐人・補助人だけでなく、その行為をした本人もその行為を取り消すことができます。事理弁識能力が十分でない方々に対する保護措置・被害救済措置の一環です。本人が不利益を被る可能性がないにもかかわらず、サポートする側が同意しない場合には、本人は家庭裁判所に保佐人・補助人の同意に代わる許可を求めることができます。
posted by 守屋行政書士事務所 at 10:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 用語解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

市町村長による成年後見等開始審判申立て

 成年後見・保佐・補助等の開始審判家庭裁判所に申立てすることができる人に市町村長・特別区(東京23区)の区長がいます。

 申立てできるという根拠条文は、次のとおりです。
(1)老人福祉法第32条
市町村長は、65歳以上の者につき、その福祉を図るため特に必要があると認めるときは、民法第7条(後見開始の審判) 、第11条(保佐開始の審判)、第12条第2項(保佐人の同意を要する行為を追加する審判)、第14条第1項(補助開始の審判)、第16条第1項(補助人の同意を要する行為の審判)、第876条の4第1項(保佐人への代理権付与の審判)又は第876条の9第1項(補助人への代理権付与の審判)に規定する審判の請求をすることができる

(2)知的障害者福祉法第27条の3
市町村長は、知的障害者につき、その福祉を図るため特に必要があると認めるときは、民法第7条 、第11条、第12条第2項、第14条第1項、第16条第1項、第876条の4第1項又は第876条の9第1項に規定する審判の請求をすることができる

(3)精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第51条の11の2
市町村長は、精神障害者につき、その福祉を図るため特に必要があると認めるときは、民法第7条 、第11条、第12条第2項、第14条第1項、第16条第1項、第876条の4第1項又は第876条の9第1項に規定する審判の請求をすることができる


 条文上、市区町村長が申立てをすることができる要件になっている「その福祉を図るために特に必要があると認めるとき」とはどのような場合なのでしょうか。

続きも読んでください
posted by 守屋行政書士事務所 at 09:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月07日

事実婚、内縁の妻の成年後見等開始申立て権

 成年後見・保佐・補助の申立てをする場合には、家庭裁判所に本人(成年被後見人の審査対象になる人)と申立てする人との関係を証明する書類(戸籍謄本、住民票等)を提出することになっています。申立て権者には本人の配偶者が含まれていますが、この配偶者に事実婚をしている人や内縁の妻という人は該当するのかという疑問も生じる場合があるかと思われます。実務では、受け付けていないようです。

 理由は、公の身分証明は、法律に基づく形式に従っていますので、形式にとらわれない場合には、本人との関係を証明する方法が難しいことと、4親等内の他の親族にクレームをつけられることも予想され、トラブル発生を敬遠する家庭裁判所の意向もあるようです。

 それではどうするか? 4親等内の親族に申立てするようにお願いするか、お願いしても実行してもらえないときは、場合によっては婚姻届を提出する(法律上の身分関係を形成する)ことが考えられます。市町村長(東京23区:特別区の区長含む)に申立てを依頼するというやり方は、自治体により成年後見制度政策の実施度がバラバラであり、十分には期待できないと思われます。こちらからの強い要求が必要な場合があります。
posted by 守屋行政書士事務所 at 13:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月05日

後見等開始審判申立ての管轄裁判所

 成年後見、保佐、補助の申立てを家庭裁判所にする場合は、本人(成年被後見人、被保佐人、被補助人の審判対象になる人)の住所地を管轄する家庭裁判所に書類を提出します(家事審判規則第22条、29条、30条の7)。住所地とは、通常、住民基本台帳法第7条の住民票上の住所地を指します。ただし、本人が、医療施設や福祉施設等に長期滞在している場合、民法第21条で定義する「住所」概念は、各人の生活の本拠地という抽象的ですので、具体的にどこになるのかが審判管轄地の問題になります。


 東京家裁後見問題研究会編『東京家裁後見センターにおける成年後見制度 運用の状況と課題』判例タイムズ1165号 2005年 71ページ記載によれば、住民登録地と療養・入院の場所を管轄する家庭裁判所が異なる場合は、住民登録地を基準に管轄を決定しているようです。

 ただし、成年後見人・保佐人・補助人候補者が本人が療養・入院している施設の近くに住んでいる場合には、本人の住所をその施設に移して申立てを受け付けるという運用をする場合もあるようです。家庭裁判所で事前相談が必要かと思われます。

 いったん申立てをしてから別の裁判所の管轄地に住所移転をした場合には、本人の後見等審判のほかにも決定すべき事項がたくさんありますので、双方の裁判所間で協議をして、管轄を決めています。 

 裁判所管轄一覧です。
posted by 守屋行政書士事務所 at 11:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月02日

禁治産・準禁治産制度からの移行措置

 2000年4月からの成年後見制度のスタートに関連して、それ以前の制限能力者制度である禁治産・準禁治産制度からの移行措置の説明です。

 禁治産制度に関しては、禁治産宣告は後見開始の審判、「心神喪失の常況にある者」という宣告を受けた禁治産者は成年被後見人、禁治産者の後見人は成年後見人、禁治産者の後見監督人は成年後見監督人とみなされます(民法の一部を改正する法律(平成11年12月8日法律第149号)附則第3条1項)。

 準禁治産制度に関しては、その原因が心神耗弱である場合には、心神耗弱を原因とする準禁治産の宣告は保佐開始の審判、準禁治産者は被保佐人、準禁治産者の保佐人は被保佐人の保佐人とみなされます(同法附則第3条2項)。

 心神耗弱ではない理由で準禁治産宣告を受けた場合(例えば浪費者)には、旧民法が適用され続けます(同法附則第3条3項)。旧準禁治産制度に関しては、新制度に移行するものと旧制度のまま存続するものに分かれるので、心神耗弱を原因とする準禁治産者が被保佐人に移行するためには、家庭裁判所の審判書等を用いて、立証する必要があります。


 また、成年後見制度が適用される場合には、登記されることになります(後見登記等に関する法律(平成11年12月8日法律第152号))。禁治産・準禁治産者は、それぞれ各自の戸籍にその旨が記載されていたので、登記手続をする必要があります。登記手続をしないと、戸籍の記載は変更されません。禁治産者に関しては、成年被後見人・成年後見人・成年後見監督人とみなされる者、成年被後見人とみなされる者の配偶者・四親等内の親族が後見の登記を申請することができます(後見登記法附則第2条1項)。 

 被保佐人に移行する準禁治産者は、被保佐人・保佐人とみなされる者、被保佐人とみなされる者の配偶者・四親等内の親族が保佐の登記を申請することができます(同法附則第2条2項)。

 成年後見制度に基づく後見・保佐等の登記が完了すると、登記を担当する法務局から市町村の戸籍担当に連絡が行き、戸籍が再製されます(同法附則第2条3〜5項)。再製された戸籍には、過去の禁治産・準禁治産宣告の事実は記載されません。心神耗弱ではない理由で準禁治産宣告を受けた場合は、旧戸籍法が適用されるので、戸籍の記載はそのままです(同法附則第6条2項)。
posted by 守屋行政書士事務所 at 08:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月01日

成年後見制度と権利制限・資格の欠格事由

 成年後見制度の適用を受けた人は、それまで行使していた権利を制限されることがあります。

@選挙権・被選挙権の喪失
 成年被後見人は選挙権・被選挙権を有しない(公職選挙法第11条)。

A印鑑登録抹消(各自治体の条例・規則等による)
 成年被後見人の財産譲渡等で印鑑登録証明書が必要な場合には、代理権を持つ成年後見人の印鑑登録証明書を使用します。

B取締役の欠格事由(株式会社→商法第254条の2、有限会社→有限会社法32条)
 成年被後見人、被保佐人になった場合は、辞任しなければなりません。役員報酬請求権もなくなります。

C特定非営利活動法人(NPO法人)の理事・監事の欠格事由(特定非営利活動促進法第20条)
 成年被後見人、被保佐人。

D公務員の欠格事由(国家公務員法第38条、地方公務員法第16条)
 成年被後見人、被保佐人。

Eその他の専門的資格の欠格事由(登録抹消手続)
 行政書士、弁理士、弁護士、司法書士、公認会計士、税理士、医師、歯科医師、建築士、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士などが成年被後見人、被保佐人になった場合。

F事業を開始するときの行政機関への許認可等取得の前提条件となる場合


 補助開始の審判を受けたとき、任意後見契約において任意後見監督人が選任された場合には、上記のような資格・権利制限はありません。
posted by 守屋行政書士事務所 at 10:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 制度解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする